パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

nukumuku、10年めのパンづくり【中村橋】

2015年8月で開店10年めに入ったnukumuku(ヌクムク)の今をお伝えします。アメリカンコレクティブル溢れる楽しい店内、生産者とのつながりによって生まれる国産小麦のパンは正統派バゲットやドイツパンからもちもちの食パン、ふわふわのクリームパンにドーナツ、コッペパンなど多彩なラインナップです。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

趣味はアメリカンコレクティブル。おもちゃ屋さんのような店内

おもちゃ屋さんのような楽しい店内

おもちゃ屋さんのような楽しい店内

2015年8月で開店10年めに入ったnukumuku(ヌクムク)。その店名は地名の貫井(ぬくい)からきているのかと思いきや、自分の部屋に招くように、温かな気持ちでお客さんを迎えたいという、気持ちの「温もり」からきているのだそうで、そこはまさに店主、与儀高志さんの部屋のようです。
イートインコーナー

イートインコーナー

与儀さんが趣味で集めたアメリカの昔ながらのパンメーカー「ワンダーブレッド」や「ピルズベリー」などの看板やキャラクターが所狭しと飾られた壁や棚、イートインスペースには「マクドナルド」のキャラクターチェア。グラスは「デイリークイーン」、お皿はコレクター垂涎、20世紀のビンテージミルクガラス「ファイアーキング」……。初めて訪れた人はきっと、おもちゃ屋さんと見まごうような店の様子にしばらく見入ってしまうことでしょう。
カスタードクリームパンとチリマスタードベーコンエピ

カスタードクリームパンとチリマスタードベーコンエピ

これらのアメリカンコレクティブルとヌクムクのパンやお菓子との共通項は陽気なトーン。底抜けの明るさといったところでしょうか。コレクションを眺めながらイートインコーナーでパンを食べていると、本当に友だちの部屋に遊びにきたような気分になってきます。
バゲット生地の「フランスパンドーナツ」は食べ応えがある

バゲット生地の「フランスパンドーナツ」は食べ応えがある


国産小麦のパンを焼く理由

旨みたっぷりのバゲットは2種類

旨みたっぷりのバゲットは2種類

壁には小麦生産者と与儀さんの写真も貼ってあります。ヌクムクのパンは北海道、長野や岐阜などすべて国産の小麦粉で焼かれているのです。
こんがり焼けたバゲット

こんがり焼けたバゲット

「国産小麦を使うのは、小麦の性質や味がどうのというよりも、生産者との温かな繋がりがあるからです」と与儀さんは言います。「北海道へ行って、小麦農家の人たちが一生懸命働く姿を見たことがよかったんです。この人の作るものを使いたい、という気持ちが大きくなった。可能なら、パンの原材料はすべて知っている人のものを使えたらいいなと思っています。そのほうが気持ちも入るでしょう?」
チリマスタードベーコンエピ

チリマスタードベーコンエピ

「カスタードクリームパン」(216円)はふわふわのパンにたっぷりの自家製カスタード。ヌクムクのロゴマークにもなった人気のパンです。「チリマスタードベーコンエピ」(259円)はただのエピならず。吉祥寺の人気店「肉山」の特製チリマスタードを使っています。ちょっと一口食べるつもりでもピリ辛味と旨みのあるパン生地の組み合わせが新鮮で、気がついたら1本食べてしまうかも。オーガニックコーヒーは260円(ブレンド)からです。
与儀高志さん、文美さん。文美さんは菓子職人

与儀高志さん、文美さん。文美さんは菓子職人


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