パラレルキャリアの価値とは
本業以外に別の顔を持っている人は益々増えていくだろう
1.時間生産性および品質の向上
結果として、時間生産性が劇的に向上します。限られた時間内で2つのことをやりくりしなければならないので、時間の使い方がうまくなります。目的以外の無駄なことに費やす時間は少なくなることでしょう。更に、仕事品質の向上も期待できます。本業と本業に関わる社会活動を行うのでより深みのあるレベルに到達していくことでしょう。
2.経済的価値に加え、社会的価値の獲得
個人としては、お金を稼ぐという経済的な価値に加え、世の中に役立つという社会的な価値が獲得できます。他者と繋がることが社会性を意味します。これからの時代、よりネットワーク社会へと進行していくので、時代の在り方とも合致しています。一人勝ちではなく、共存共栄の時代、相応しい在り方と言えましょう。
3.ノブリス・オブリージュ(高貴なるものの義務)の実現
欧米を中心とする先進諸国において、ノブリス・オブリージュ(高貴なるものに伴う義務)は基本的な倫理観です。その意味では、パラレルキャリアの社会活動の部分は社会的に役に立つことを企図し、オーバーラップしています。社会的な存在として生きることはグローバル基準では当たり前の考え方なのです。
日本には貴族階級が存在しません。よって、民主主義の中ではノブレス・オブリージュの概念はなじみにくいかもしれませんが、たとえ社会的な地位のない庶民でも、家族や近所のようなごく小さな集団でリーダーとしての地位と責任を負う機会があります。そういう意味では、誰もが直面せざるを得ない概念でもあるのです。
多摩大学大学院教授の田坂広志氏は『未来を拓く君たちへ』(PHP文庫)の中で、21世紀においては「"高貴な人間が自覚すべき義務"という意味から、"恵まれた人間が自覚すべき義務"という意味になっていくだろう」と解説しています。
このように、パラレルキャリアを推進することで3つの価値を獲得できます。今の皆さまの仕事をベースに、パラレルキャリアを構築されてみてはいかがでしょう?