世界遺産/ヨーロッパの世界遺産

コルドバ歴史地区/スペイン(5ページ目)

中世から伝わるかわいらしい小路やパティオ(中庭)を飾っているのはゼラニウムやカーネーションといった花々で、花の艶やかな色彩が純白の壁によく映えている。そんな美しい町並みの真ん中には、イスラム紋様やアラブ風の円柱に、ゴシックやルネサンス様式のキリスト教礼拝堂を備えた世にも不思議な建物メスキータ。今回は古今東西の文化が融合したスペインの世界遺産「コルドバ歴史地区」を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

「コルドバ歴史地区」への道

オレンジのパティオから見たメスキータの城壁とアミール

オレンジのパティオから見たメスキータの城壁とアミール。シンプルだが均整がとれていてとても美しい

■エアー&ツアー情報
ユダヤ人街、花の小路

ユダヤ人街、花の小路。小路の先にアミナールが見える

コルドバにコルドバ空港があるほか、セビリア(セビーリャ)やマラガの国際空港も遠くない。いずれも日本からの直行便がないので、パリやモスクワ、イスタンブールなどを経由するのが一般的。マドリードやバルセロナから電車やバス・国内線で訪れる観光客も少なくない。格安航空券で12万円前後、ツアーは15万円前後から。

コルドバはセビリアから直線距離で約120km、マラガから約130km、マドリードから約300km、バルセロナから約700km。

 

■周辺の世界遺産
メスキータ、オレンジのパティオ

メスキータ、オレンジのパティオ

セビリアには「セビリアの大聖堂、アルカサルとインディアス古文書館」があり、コルドバの南東130kmには「グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン地区」がある。コルドバ、セビリア、グラナダの3都市はアンダルシア州のハイライトで、特にグラナダのアルハンブラ宮殿は必見だ。

また、コルドバの東130kmには「ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群」のウベダやバエーサがある。

マドリードに入る人は「マドリードのエル・エスコリアル修道院とその遺跡」「アビラの旧市街と城壁外の教会群」「古都トレド」「セゴビア旧市街とローマ水道橋」「歴史的城壁都市クエンカ」「アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区」「アランフェスの文化的景観」などが近い。

バルセロナには「アントニオ・ガウディの作品群」と「バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院」がある。

 

「コルドバ歴史地区」のベストシーズン

ローマ橋の夜景

ローマ橋の夜景。右正面奥、丘の上に立つ建物がメスキータだ

コルドバは北半球に位置するので季節は日本と同じ。夏の平均最高気温は36度、平均最低気温は20度。冬は14度と5度。東京よりも少し温暖だ。

雨が集中するのが11月と12月で、年間降水量の半分がこの時期に降る。それ以外のシーズンに雨は少なく、降水量を見ても東京よりずっと少ない。特に6~8月は非常に乾燥する。

パティオで花を楽しむなら春がベストシーズンで、5月には2週間にわたってパティオ祭りが開催される。当然ながらその分、観光客も多い。食べ物のおいしい秋やサッカーのリーガ・エスパニョーラのシーズン(8~翌5月頃)等々、趣味に合わせてもよいだろう。

世界遺産基本データ&リンク

メスキータ、円柱の森

こちらも円柱の森。冒頭の写真と違ってこちらの天井は木造だ。時代が古いものほどデザイン的にも素材的にもすぐれており、近年増築された部分ほど粗雑になっているという

メスキータ、ビリャビシオサ礼拝堂

メスキータ、ビリャビシオサ礼拝堂

【世界遺産基本データ】
登録名称:コルドバ歴史地区
Historic Centre of Cordoba
国名:スペイン
登録年と登録基準:1984年、1994年拡大、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)

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