世界遺産/アジアの世界遺産

フォンニャ-ケバン国立公園/ベトナム(4ページ目)

バロック芸術を思わせる鍾乳洞や高層ビル群がスッポリ入る世界最大の洞窟通路、死海のように体が浮き上がる泥の池など、フォンニャ-ケバンには大自然が4億年をかけて創り上げた壮大な地下世界が広がっている。近年は象徴であるフォンニャ洞窟とティエンソン洞窟の他に、ティエンドゥオン洞窟、トイ洞窟、エン洞窟等々、多彩な洞窟が続々オープン! 今回は世界屈指の洞窟リゾート「フォンニャ-ケバン国立公園」を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

フォンニャーケバン随一のアトラクション、トイ洞窟(ダーク・ケイブ)

トイ洞窟付近の展望台から周辺の山々を望む

トイ洞窟付近の展望台から周辺の山々を望む。下のチャイ川の流れに削られて、深い渓谷や断崖が刻まれている

トイ洞窟のアトラクション

トイ洞窟のアトラクション。リゾートとして人気急上昇中だ

日本語で、暗黒の洞窟。1990年に発見された洞窟で、長さ5.2km・高さ80mを誇る。入口がふたつあり、一方はトイ洞窟、もう一方はヌオックラン洞窟と呼ばれている。

洞窟はチュイティエン湖に面しており、洞窟まで400mのジップラインでアプローチすることができる。これ以外に複数のジップラインが用意されているほか、カヤッキングや水泳も楽しめる。ただし、ジップラインは身長140cm以上に制限されているので要注意。レストハウスにはレストランも併設されている。

洞窟の一部にチャイ川から大量の泥が流れ込んでおり、死海のように身体が浮かぶ浮遊体験ができる。また、泥はミネラル分を大量に溶かし込んでいるため、肌がツルツルになる。

 

世界最大の洞窟通路、ソンドン洞窟(マウントリバー・ケイブ)

世界最大規模を誇るソンドン洞窟

世界最大規模を誇るソンドン洞窟。ラオス国境付近に位置しており、近郊にはやはり超大型のエン洞窟がある

日本語で、山水洞窟。入口自体は1991年に発見されていたが、周辺住民は洞窟から発せられる奇妙な音に恐れをなして中に入ることができなかったという。2009年に探索され、世界最大の洞窟通路が発見された。

固有種、フォンニャケバンヤモリ

固有種、フォンニャケバンヤモリ。園内には植物400種以上、動物38種の固有種が生息している

全長9km、高さ240m、幅150mに及ぶ巨大な洞窟で、2009年の探索でマレーシアの世界遺産「グヌン・ムル国立公園」にあるディア洞窟を超えて世界一の洞窟通路となった。地底湖の水深も200mを超え、いまだに正確に計測されていないという。

鍾乳石や地下河川・地底湖はもちろん、ぽっかりと空いた巨大な開口部には熱帯性の木々が生い茂るなど、多様で神秘的な姿を見せている。

洞窟の入場は制限されており(2014年は200人、2015人は500人まで)、レンジャーとともに訪ねる7日間のツアーが催行されている。ジャングルを踏破し、洞内を歩いたり泳いだりして散策し、洞内でキャンプするというヘビーなもので、お値段はひとり3000ドル。

 

その壮大な姿はナショナルジオグラフィック撮影のドローン映像で確認してほしい。

[関連サイト]
Son Doong Vietnam Cave vin wBUG(National Geographic YouTube)
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