フォンニャ－ケバン国立公園／ベトナム(3ページ目)

洞内・洞外ともに美しい、ティエンソン洞窟（ドライ・ケイブ）

日本語で、仙人山洞窟。フォンニャ洞窟と同じ山にあり、約500段の階段を登って訪れる。これまでのところフォンニャ洞窟とつながりのある穴は発見されておらず、いずれも独立していると考えられている。

1935年にフランス人考古学者によって発見され、聖なる洞窟として小さな祠が建てられた。フォンニャ洞窟とともに公開がはじまり、数年前までフォンニャ－ケバン国立公園の洞窟見学はこの2か所に限られていた。

全長約1kmで、開けたホールが広がる400m地点までが一般に開放されている。そのホールは360度、鍾乳石に囲まれており、圧巻の迫力。階段状に広がる鍾乳石はパイプオルガンのようにも見え、バロック様式の大聖堂のような荘厳な空間を演出している。

ソン川から200mの高さにあるため、階段から眺める景色もまた格別だ。

天国を思わせる絶景、ティエンドゥオン洞窟（パラダイス・ケイブ）

日本語で、天国の洞窟。イギリス洞窟教会は世界最高の洞窟のひとつとしており、後述するソンドン洞窟が発見されるまで、世界最大規模の洞窟で、もっとも長い地下河川を持ち、もっとも広く美しいビーチを有し、もっとも美しい鍾乳石があるとしていた。

2005年に発見された新しい洞窟で、公開は2010年から。全長31km・高さ100～150mに達し、木製の遊歩道が約1kmにわたって整備されている。約7km地点まで公開されているが、1km地点以降はレンジャー同伴の必要がある。

巨大な鍾乳石が多数見られるほか、その種類がきわめて豊富で、つらら石・石筍・石柱はもちろん、壁を流れる流れ石、曲がりくねるあぜ石、プールが連なる石灰棚、細い細いつらら石・ストロー、サンゴのように枝を伸ばす洞窟サンゴ、幕状のカーテンやベーコン、花のような石花など、多彩な鍾乳石が見学できる。