「○○しなさい!」では子どもが動いてくれないわけ
何度「○○しなさい!」と言っても、一向に聞き入れてくれないのはなぜ?
言うことを聞かない子どもに、私たちはついつい強引な説得の言葉を重ねてしまいがちです。しかし、説得の言葉を繰り返せば繰り返すほど、子どもは親の言葉に耳を貸さなくなってしまいます。これはどうしてなのでしょう?
子どもだけでなく、人は誰でも説得されると、抵抗を感じるものです。それは、その言葉や態度によって、自分の行動の自由が奪われそうな危機感を覚えるからです。このような危機感を感じたときに目指す、自由を取り戻そうとする動機づけを「心理的リアクタンス」と呼びます。
自発的行動を待っても、結局は「説得」に終わっていませんか?
「勉強しなさい!」と何度言われてもやらない子は、勉強が嫌いではないのかもしれません。また、「片付けなさい!」の言葉で動かないからと言って、いつまでも汚いままでいいと思っているわけでもないでしょう。親の強引な説得に心理的リアクタンスを感じ、無意識のうちに親の要求と反対の行動を選択してしまう――こう考えれば、口で言ってもやる気にならない子どもたちの心を、少し理解できるような気がしませんか?かといって、「子どもの自主性に任せてみよう」「いずれ自分からやるようになる」とのんきに構えていても、やっぱり勉強は進まないし、部屋が片づくこともないのが現実です。その結果、親は堪忍袋の緒が切れて、結局は「勉強しなさい!」「部屋を片付けなさい!」の説得の言葉の繰り返し。こんな日々に辟易しているのではないでしょうか?
では、「やらない子」をどうやる気にさせたらいいのでしょう? 次のページで解決のヒントをお伝えします。