組み合わせ次第では個性的なバスルームも
新築やリフォームの際に、多くの方が取り入れるシステムバス。各メーカーの商品バリエーションも豊富になり、デザイン性や機能性もますます高まってきています。商品シリーズの価格帯などによってさまざまですが、浴槽や水栓金具、内装材などのアイテムも充実し、組み合わせ次第では、個性的な浴室プランも可能。こだわりを持つ方も多い浴槽には、素材や形状のバリエーションだけでなく、より心地よく、使い勝手を高めた機能を搭載することが可能なタイプがみられます。ゆりかごに包まれるような形状のもの、浴槽内ステップのあるタイプ、洗い場側に張り出した形など、入りたいスタイルや好みのカラー、素材で選べる5つの浴槽を設定。[システムバスルーム サザナ] TOTO
浴槽の主な素材は人工大理石やFRP
システムバスの浴槽の素材は、メーカーや商品の設定にもよりますが、多く取り入れられているのは、人工大理石やFRP(エフアールピー)。その他、独自の樹脂系タイプ、鋳物ホーローやステンレスを揃えたメーカーもみられます。人工大理石の浴槽には、アクリル系とポリエステル系があり、アクリル系は透明感や光沢があり衝撃性などにも優れるもの。ポリエステル系はアクリル系より比較的安価なタイプです。いずれも天然大理石のように柔らかく温かみがあり、また、表面が滑らかなので水あかや湯あかを落としやすいのも特徴でしょう。メーカーによって、他の素材を加えるなどして性能や美しさを高めたもの、美しさを長く保つ工夫が施されたもの、お手入れのしやすさを高めたものなど、それぞれに特徴があるので、具体的な性能や素材感は、ショールームで確認することが大切です。
FRPとは、ガラス繊維強化プラスチック(fiber glass reinforced plastic)のこと。浴槽の素材としては一般的なもので、保温性もあり軽量、柔らかく温かみがある樹脂素材です。材質の改良も進み性能も高まってきています。
ホワイト系やブラック系。異なる色を組み合わせたタイプも
カラーバリエーションは豊富に揃っており、商品にもよりますが、ホワイト、ベージュ、ピンクなど淡い色だけでなく、ブラックやブラウンなどがラインナップも。自然石の質感を再現したものや光沢のあるもの、浴槽そのものと縁部分の色が異なる商品などもみられます。独自の有機ガラス系人造大理石の保温浴槽。お湯に広がるミクロのオイルが肌のうるおいを保つ「オイルヴェール酸素美泡湯」が特徴。[Lクラスバスルーム] パナソニック エコソリューションズ
ゆったりとくつろぐ形状、ゆったりと親子で入浴も
一般的に、浴槽の形状は、和式・洋式・和洋折衷に分類することができますが、システムバスの浴槽の多くは、和洋折衷タイプ。肩までつかることが可能で、身体を伸ばすこともできる形状です。この和洋折衷を基本に、各メーカーから提案されている最近の浴槽には、ゆったりとくつろぐことができる、楽な姿勢で入浴できるような配慮が多くみられます。たとえば、ヘッドレスト部分を高くしたり、角度をつけることで、後頭部を心地よく支えることができるもの、足を伸ばし、寝湯のような姿勢でくつろぐことができるもの、包まれるような安心感を得ることができる形状なども提案されています。
また、半身浴ができるようなステップ(ベンチ)を設けた浴槽、子供と一緒に向かい合って入浴しやすいものや洗い場側に張り出して広がりを持たせたタイプなども。その他、姿勢を安定させ浴槽でのくつろぎをサポートする、アームレストを設けたものもみられます。
癒しやリラックス効果を高める機能も搭載可能
くつろぎや癒しを高めるための機能を持つ浴槽も揃っています。たとえば、腰や背中に心地のよい刺激を与えるジェット噴流を搭載することができるタイプ、酸素を含んだミクロの泡で身体をやさしく温め、肌をしっとりと保つもの、肩からお湯を浴びることができるタイプ、などもみられるようになりました。また、お湯を照らす照明を設け、光の演出をすることで、豊かな気分を味わうことができる浴槽なども提案されています。首から肩に柔らかなお湯が流れるアクアフィール 「肩湯」が心地よさを高める。[スパージュ] LIXIL
断熱性能の高い浴槽は一般的に
システムバス商品の価格帯にもよりますが、浴槽を断熱材でくるむなどした保温性の高い浴槽も一般的になってきました。温度の低下を抑えることができるので、追い焚きをしなくても数時間、温かさを保つことができるものです。また、商品によっては、断熱フタを用意しているタイプも。断熱性をより高めることが可能でしょう。その他、半身浴ができるようなステップ付きの浴槽や足元の幅や形状を工夫して無駄な空間を無くしたタイプであれば、浴槽にためる水量を抑えることが可能なので、節水効果も期待できます。
安全性を高める滑り止めやグリップ
浴室のプランニングでは、安全性への配慮も重要なポイント。事故を防ぐための工夫を施したシステムバスは多くみられますが、浴槽では、底部分に凸凹を設けるなどした滑り止め加工が一般的といえるでしょう。その他、浴槽への程よいまたぎ込み高さとしたもの、浴槽の縁を腰掛けて入ることができる幅や広さとしたタイプ、使いやすいグリップを設けたものなどもあるので、家族構成などにあわせて検討するようにしましょう。掃除のしやすい素材や表面加工、自動洗浄機能も
浴槽は、掃除やお手入れがしやすいことも重要なポイントです。各メーカーの浴槽には、汚れにくい素材や表面加工によって汚れを落としやすくするしたタイプ、継ぎ目のないデザインとしたもの、汚れがたまりやすい排水口のフランジ(金具)を無くし溝がない形状にした浴槽なども。メーカーによっては、蓋を閉め、スイッチを押すだけで、自動で浴槽を洗う機能を持つタイプも提案されています。浴槽を選ぶ際には、入浴することだけでなく、お手入れに関してもチェックしておくことが大切です。最近のシステムバスの浴槽は、さまざまな特徴をもち、心地よさや使い勝手を高める機能を搭載したタイプが多くみられます。商品シリーズによって、標準仕様もしくはオプション仕様と、設定も異なるので、予算や入浴スタイル、こだわりなどを考慮して選ぶことが大切でしょう。また、プランニングの際には、必ずショールームで実物のチェックをすること。システムバス空間だけでなく、浴槽にも入ってみるなどして、その大きさや形状、素材感や使い勝手などを確認することが重要なポイントです。
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