4: 栄養強調表示に係るルールの改善
○○フリー、△△0(ゼロ)なども強調表示
これまで、「○○控えめ」「○○off」といった少ないことを強調する表現は、他の同じような食品より一定量少なければ表示してよいという絶対差ルールでした。この場合、ものすごくカロリーの高い食品が少しだけカロリーを下げた場合にも表示が許されてしまっていました。そこで、今回は絶対差に加えて25%以上の相対差が必要というルールに改善されました。
※ナトリウム(塩分)については、食品の保存性の問題で底辺が困難な場合、相対差についての特例が認められます。
ビタミン・ミネラル(ナトリウムを除く)が多いことを強調する表現(「△△たっぷり」「△△豊富」)は、これまで決められていた基準値に代わり、栄養素等表示基準値の10%以上の絶対差が必要となりました(絶対差の計算方法の変更)。その他の栄養素(タンパク質・食物繊維など)については、これまで通りの基準値です。
また、「□□無添加」「□□不使用」という表現はこれまで法律上のルールはありませんでした(消費者庁の通知で運用されてきました)。今回新たに糖類と食塩(ナトリウム塩)について「無添加」と表現できる条件が定められました。これによって一定の条件が満たされた製品は「糖類無添加」「食塩無添加」と書けることになりました。
5: 栄養機能食品に係るルールの変更
表示は大切な情報源です
次に、対象範囲が広くなり、卵以外の生鮮食品で栄養機能食品の表示ができるようになりました。ということは、「栄養機能食品(ビタミンC)」というフルーツや、「栄養機能食品(n-3系脂肪酸)」という魚の缶詰なども登場するかもしれません。
また、表示に関する部分で、栄養成分表示の食品単位は、「1日当たりの摂取目安量」で統一されます。これまでは特に指定がなかったので、1粒あたりだったり1日あたりだったり、製品によってバラバラでした。1粒当たりや1袋あたりだと、1日に摂っている栄養素の量がわかりにくく、他の製品と組み合わせる際に摂り過ぎにならないかを計算するのも大変でした。これが1日あたりに統一されたことで、ずいぶん分かりやすくなりそうです。
ただ、いわゆる健康食品(特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品ではないもの)は、はこれまでと同じで、100gあたり、100mlあたり、1食(○g)あたり、1袋あたり、1粒あたり、1日あたりなど、メーカーが自由に設定できます。
最後に、これは食品表示法ではなく食品表示基準ですが、食事摂取基準が改訂され2015年版となったのと、基準値を決める際の対象年齢の変更(6才以上→18才以上)がありました。これによって、栄養機能食品として表示できる含有量の範囲(栄養素等表示基準値)が変更になっています。(詳しくは右表へ記載)
この他に、製品選びの基準にはなりませんが、昨年の景品表示法改正と今回の食品表示法で、「虚偽表示に対する罰則強化(法人は1億円→3億円)」や、「消費者団体訴訟制度の食品への導入(予定)」など、取り締まりや消費者保護を強化する方向に変更されています。
続いては、新たに誕生した機能性表示食品制度について。