端午の節句に、何のお菓子を食べていたかで出身地が分かる!?

柏餅

かしわ餅をくるんでいたのは、本当に柏の葉?

子どもの成長を願うお節句の祝い菓子。端午の節句ではちまきや柏餅が有名ですが、それ以外にも、日本各地に他の地域では見られない和菓子があります。

特に多いのが、植物の葉を使った和菓子。地域でよくとれる葉が使われますが、柏・笹・山帰来などがその代表格。

ここで注目したいのが、「上京して、これが柏かと驚いた」という声がよく聞かれる柏餅。実は、柏以外の葉でくるんでいても、柏餅と呼ぶ地域が少なくないのです。それは、食物を載せたり包んだりした葉の総称が「かしわ」(炊葉)だったため。「かしわ餅」をくるんだ葉を「柏」だと誤解しても無理はありませんね。

土地の風土を色濃く反映した和菓子は、長い歳月をかけて伝えられてきた大切な食文化の一つです。それは、子どもの頃端午の節句で、どんなお菓子、何の葉でくるまれたお餅を食べていたかで出身地が分かってしまうこともあるほど、強く根付いたもの。お子さんの成長を喜びながら、ご縁のある土地のお菓子をどうぞ召し上がってみてくださいね。

代表選手は、西のちまきに東の柏餅!

端午の節句といえば、ちまきか柏餅を思い浮かべる方が多いと思いますが、その勢力は大きく分けて西日本ではちまき、東日本では柏餅が優勢です。

ちまき

形や葉・くるみ方に様々なバリエーションがあります

ちまきは、お餅・お米・お団子などを茅萱(ちがや)・笹・葦などでくるんだもの。中国伝来とされていますが、手軽にできて日持ちすることから日本でも古来より作られていたと言われています。茅萱は、夏越の祓などにも使われる神聖な植物。その生命力にあやかり邪気を払おうとしたのですね。

柏餅は、お餅で小豆やみそでできたあんをくるみ、さらに柏の葉で包んでから蒸したもの。柏の木は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、家系が途絶えないとして、江戸時代に武家を中心に広まりました。塩あん・みそあん・小豆あんなどがあります。

北日本のお祝いに欠かせない、べこ餅

べこ餅

※写真提供 小樽家族

べこ餅は、北海道や青森県下北地方などで見られる、ほんのり甘いお餅です。お砂糖を白・黒2種類使い、やわらかでなめらかな2色の生地に仕上げているものが一般的。

よもぎやあんこを加えたり、棹上に作ったものを切り分けたりと、べこ餅と言っても地方によって姿は様々。型に入れて作るタイプのものは「かたこもち」とも呼ばれます。

もっちり食感に爽やかな葉の香り! 山形県と島根県の笹巻

日本のあちこちで見られる笹巻ですが、端午の節句の和菓子として、山形県庄内地方と、島根県奥出雲のものをご紹介します。

笹巻

笹巻をゆでるときに灰汁(あく)を使うと黄色になるそうです

庄内地方の笹巻は、もち米を笹の葉でくるんでゆでたもので、きな粉や黒蜜を付けて食べます。種類は白と黄色の2つ。大きく分けて、北庄内では白い笹巻、南庄内では黄色い笹巻が多く食べられています。これに近いのが新潟の三角巻。佐渡の鉄砲巻・たいごろは、お餅をくるむのに、笹だけでなく藺草も使います。

日本神話で名高い奥出雲の笹巻は、笹の葉の太い芯に白い餅を巻き付け、笹の葉5枚を使って包んだもの。食べる度にゆで直し、お餅を柔らかくしてから、きな粉や砂糖醤油を付食べるのだとか。もっちりねっとりしたお餅の食感が楽しめそうですね。

北アルプスの自然から生まれた朴葉巻

朴葉巻

※写真提供 御菓子司 田ぐち

長野県から岐阜県の端午は旧暦の5月5日。笹ではなく朴の木の若葉を使って朴葉巻を作ります。

緑濃く肉厚で30cm近くの葉も珍しくない朴の葉は殺菌作用もあるので、日持ちしやすいそう。朴葉味噌・朴葉寿司も有名ですね。

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