高まるスポーツ選手の人気

このような状況の中、スポーツ選手の人気が高まっている。その理由は主に3つにまとめられる。

■理由1:芸能人と比べ、人気度の流行り廃りが少ないこと
広告契約を結ぶ場合、契約料と出演料で数千万円になることが一般的だ。数千万円という金額は決して安い金額ではない。したがって、広告主が大きな失敗は避けたいと思うのは自然なことだ。タレントと比べ、人気度の流行廃りが少ないスポーツ選手は、できるだけ長い期間、企業のイメージを背負ってもらう上で、広告主としては安心の材料だ。昨今、この傾向がますます強まっている。

■理由2:日本企業とスポーツ選手のグローバル化
企業のグローバル化が一気に進展している。日本市場だけでなく海外市場における戦いに勝とうとする日本企業が増加している。それに伴い、海外赴任が多くなったり、社内公用語が英語になったり、海外企業を買収するという動きも高まって来た。

一方、スポーツ選手を見ても、世界で戦うことの出来る日本人選手が増加している。メジャーリーグで活躍するイチロー選手、ダルビッシュ有選手、田中将大選手。ヨーロッパサッカーリーグで活躍する本田圭祐選手、香川真司選手、岡崎慎司選手。テニスでグランドスラム優勝を狙えるところまで来た錦織圭選手。さらにはフィギュアスケートの浅田真央選手や羽生結弦選手など。枚挙にいとまがないが、世界の第一線で活躍する日本人選手は増加している。

世界で戦う日本企業にとって、世界一を狙う日本人スポーツ選手のイメージは、ますます企業が欲しいイメージと重なっているのだ。そして、今後もますますこの方向性は合致していくことが予想される。

■理由3:素直な「実感」を見ることができる
芸能人に比べてスポーツ選手の方が誇張が少ないというイメージを抱いている人も多いようだ。スポーツ選手の一生懸命なプレーのイメージから来るものもあるが、実際に製品を使用しているという要素もある。例えば、エアウィーヴやマニフレックスなどのマットレスを利用しているスポーツ選手のコメントは、企業に言わされているのではなく実感で話をしている。またお金をもらっているからという理由だけではなく、その製品や企業が本当に好きだから広告に出演している印象もある。引退はしたが、元プロテニスプレイヤーの松岡修造さんは、基本的に広告契約している商品を常に使うようにしている。また芸能人と比べて、制作内容に関して柔軟に対応してくれることが多い。


スポーツ選手のCM起用はオリンピック開催でさらに増加する!?

ガイドも数多くの広告キャラクターの契約、CM制作に携わってきた。その中で疑問に感じていたのは、数千万円という多額の費用を払った広告主が、芸能人に頭を下げてお願いしている姿だ。芸能人側からすれば、広告契約料・出演料の方が、テレビ番組出演料の数倍から数十倍も得る額が大きい。それにも関わらず、広告主は芸能人側に頭を下げ、芸能人側はテレビ制作側に頭を下げる状況がある。しかも、演技の幅はテレビ番組の方が広く、広告の場合には制限を受けるケースが多いという不条理もある。この関係はすべてではないが、多くのケースで見受けられるものだ。

今まで述べて来たような状況を踏まえると、芸能人よりスポーツ選手の起用の方が望ましいと考える広告主が増えるのは当然の流れなのかもしれない。2020年の東京オリンピック開催ということも考慮すれば、この流れはさらに勢いを増すことだろう。

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