節税対策/税制改正最新情報

「ものづくり・商業・サービス革新補助金」申請受付中

平成26年度補正予算として、「ものづくり・商業・サービス革新補助金」が決定されました。予算規模は1,020億円で、最高1,000万円(補助率2/3)の補助金を受けられます。設備投資を検討されている中小企業の方、御社の設備投資が補助金の交付対象となるかもしれません。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

補助金の目的と対象者

この補助金の目的は、国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関と連携して革新的な設備投資やサービス・試作品の開発を行う中小企業を支援することです。この補助金の対象者は、日本国内に本社または開発拠点を有する中小企業者に限ります。

対象者は、認定支援機関の全面バックアップを得た事業を行う中小企業・中小企業による共同体で、次の要件のいずれかを満たす必要があります。

1.革新的なサービスの創出
「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出等であり、3~5年計画で「付加価値額」年率3%および「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画であること

2.ものづくりの革新
「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用した画期的な試作品の開発や生産プロセスの革新であること

3.共同した設備投資等による事業革新
複数の企業が共同し、ITやロボット等の設備投資により、革新的な試作品開発等やプロセスの改善に取り組むことで、共同事業者全体の3~5年計画で「付加価値額」年率3%および「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画であること

対象類型と補助上限額等(すべて補助率2/3)

【革新的サービス】
(1)一般型⇒補助上限額:1,000万円、設備投資が必要
(2)コンパクト型⇒補助上限額:700万円、設備投資不可

【ものづくり技術】補助上限額:1,000万円、設備投資が必要

【共同設備投資】補助上限額:共同体で5,000万円、設備投資が必要(機械装置費以外の経費は、事業管理者の直接人件費を除き、補助対象経費として認められない)

次に補助対象となる経費ですが、次のようなものがあります。

機械装置費、原材料費、直接人件費、技術導入費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連経費、運搬費、専門家経費、雑役務費、クラウド利用費

中小企業において多いと思われる【革新的サービス】の一般型、【ものづくり技術】については設備投資が必要です。また、この場合、機械装置費以外の経費については、総額で500万円(税抜)が補助上限額です。

ちなみに、3類型ともに補助下限額は100万円となっているため、最低150万円以上の支出が必要となりますので、ご留意願います。

全体の流れと注意事項

募集期間は、平成27年2月13日から平成27年5月8日となっています。今回の採択は6月中を目途に行われる予定です。また、採択にあたっては、「賃上げ等に取り組む企業」や「自社の計算書類が中小会計基本要領等の適用を受けている企業」には加点されるようです。

全体の流れは、このようになります。

認定支援機関に相談⇒公募(2/13-5/8)⇒審査・採択(6月中の予定)⇒採択後に交付申請⇒交付決定(8月中の予定)⇒ここで初めて設備投資等が可能⇒事業の完了⇒補助金の申請⇒補助金の支払⇒補助事業終了後5年間事業報告

ここで重要なのは、採択されてすぐに設備投資等をしてはいけないことです。あくまでも交付決定後に契約等して、設備投資等ができることになりますので、ご注意願います。

さらに、補助金の申請は採択された事業完了後(すべての支払が終わった後)に行うため、先に支払が発生します。補助金は後払いで、事業を実施した後に申請書等の必要書類を提出して検査を受けた後、初めて受け取ることができるため、自己資金が足りない場合は金融機関からの借入も同時に進行しておく必要があります。

さて、冒頭で「対象者は、認定支援機関の全面バックアップを得た事業を行う中小企業」と書きましたが、認定支援機関とは何のことでしょう?

認定支援機関とは、正式には経営革新等支援機関といい、中小企業が安心して経営相談等を受けられるように、専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関のことです。金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が認定されています。

設備投資を少しでも検討されている中小企業の方は、まずは身近な相談相手である顧問税理士等にご相談されることをお勧めします。

参考:中小企業庁
www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2015/150213mono.htm

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