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湯川麻美子『こうもり』インタビュー!(6ページ目)

この春上演を迎える『こうもり』を最後に、ダンサーを引退される新国立劇場バレエ団プリンシパルの湯川麻美子さん。新国立劇場が開場した1997年よりバレエ団に在籍し、18年間に渡りカンパニーを率いてきました。ここでは、ラストステージを控えた湯川さんにインタビュー。作品への想いと決断の理由、今後の展望をお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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引退後のご予定は決まっていますか?

湯川>舞台に立つというのは今のところ考えてないです。私が想像していた以上にやりたかったこと、やりたかった以上のことをさせていただいた18年だったので、心残りはありません。この恵まれた環境で、18年間毎日踊ることだけに専念できた。他の仕事で収入を得る必要もなかったし、自分で衣裳を直す必要もなかった。ダンサーとして踊ることだけを考えて生活してこれた。

ここを離れたらまた環境が違ってくるし、日々身体をキープして舞台に立つという意味でも難しくなると思う。自分が思うように身体を動せる、思っていることを表現することはできないだろうから、他で舞台に立つことは考えてないですね。もちろんバレエには携わっていきたいです。今も外部で講師をしているし、何かしらの形でバレエと関わっていこうとは思っています。

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2012年5月「白鳥の湖」ルースカヤ (撮影:瀬戸秀美) 


また舞台が恋しくなるのでは?

湯川>4歳で稽古を始めて、10代の初めにプロを目指し、ずっとバレエ中心の生活を送ってきました。好きでやってきたけれど、バレエのためにできなかったこと、やらないでバレエを取ってきたことも沢山ある。現役を引退したら、バレエを優先したことで今までやってこなかったこと、できなかったことを探してみたいなっていう気持ちがあります。

プロになってからは、たとえ休みがあったとしても、この次に立つ舞台のことを常に頭のどこかで考えてました。本番はもちろんリハーサルの段階からすごく緊張するし、ダンサーの生活って自分との闘いだから、毎日辛いことの方が多いんですよね。それはもう十分やってきた気がするので、次のステージがあるという緊張感を忘れて、精神的に解放される状態を味わってみたい。バレエには携わっていきたいけれど、何か違うことを残りの人生で楽しめたらいいなっていう想いもあります。

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2012年6月「マノン」(撮影:瀬戸秀美)


ラストステージとなる『こうもり』。どんな気持ちで挑まれるのでしょう。

湯川>これまでは“前回よりも良くしたい、こうでなければいけない”という気持ちでずっと舞台に立ってきました。でも今は、“どんな風に踊りたい”とか“何を見せたい”というのはそれほど重要なことではなくて。一緒に踊る仲間たち、見守ってくださっているスタッフや先生方、そして観客のみなさまに感謝の気持ちが伝わる舞台にしたいと思っています。

『こうもり』の初演のとき、スタンバイしながら“この舞台で大失敗したらみなさんに土下座して謝って辞めよう。でもこんなチャンス一生に一回しかないから楽しもう!”って思ったのを覚えています。今回スタンバイしたとき自分がどう思うかはまだわからないけど、最後だからできれば舞台を楽しみたい。4歳で踏んだ初舞台は楽しかったけど、そこからは緊張の連続でした。もちろん緊張はしちゃうけど、でも楽しみたいと思う。私が楽しんで踊ることで、みなさんに感謝を伝えられたらいいなって思っています。

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