マラソン完走のコツとは?
マラソン完走のコツとは? レース中はいろいろな障壁が立ちふさがる!
特にレース終盤の疲労が溜まってきたタイミングでは、こうした小さな事柄がランナーにとって思わぬ障壁となることが少なくありません。そこで、これまで何十ものレースを走った経験から、苦しい局面を走りぬくコツをご紹介します。
向かい風はチャンスと捉える
疲労時に限らず、向かい風に苦しめられるレースは多いでしょう。ペースを維持しようとすれば、どうしても余計な筋力・体力を消費しがちです。しかし向かい風は“楽に走る”チャンスとも捉えられます。確かに向かい風では、ペースが落ちるでしょう。しかし何時間も走るマラソン大会で、終始ずっと向かい風なんていうことはほとんどありません。そこで、向かい風に倒れこむようにして身体を預けてしまいましょう。しっかりと骨盤を起こしフォームが維持できていれば、自然な前傾姿勢がキープできます。
風の強さに応じて倒れこむ角度を調整すると、脚をヒールアップするだけで面白いように進んでいきます。風には逆らわず、利用する。体力・筋力を、いざという局面まで温存してしまいましょう。
登り坂を自分に認識させない
登り坂は、つい筋力に頼って走りがちです。レース終盤になると、諦めて歩き出すランナーも多いでしょう。例えば大勢のランナーが出場する「東京マラソン」でも、35km頃に訪れる佃大橋が疲れたランナーを苦しめます。そこでおすすめなのが、「坂を見ない」という方法です。疲労が溜まってきたら視線を少し下に落とします。すると坂に入っても、緩やかなものならば坂と感じずに走ることができるでしょう。
もし、坂が視界に入ってしまっても大丈夫です。早い段階から視線を落としてしまえば“いつから坂が始まっているのか”を認識せず、気付くと坂を登っていることでしょう。
坂だと気付かないうちに登り切ってしまおう
下り坂は流れに任せる
登り坂に比べて楽に思える下り坂は、意外と知られていない疲労や怪我の原因です。下りでは着地で“上から落ちてくる”形になり、地面から大きな衝撃を受け止めています。また、スピードの出し過ぎを抑止しようとするためか、踵から着地してブレーキを掛けてしまうランナーも多いようです。しかし、これが大きな筋力消費、そして膝などへの負担増に繋がってしまいます。そこで下り坂では前傾を維持しながら、出来るだけ地面と並行に移動することをおすすめします。恐らく、ペースは平地に比べて上がるでしょう。しかし並行することで上下運動が減り、脚への負担は膨らみません。平地より少しストライドを伸ばすように意識すると、同じピッチで無理なく走れます。
上半身を使って進む
登り坂や向かい風はもちろん、脚に疲労を感じているときこそ大切なのが上半身です。体幹で身体を支えて、しっかり腕を振りましょう。このとき、上体は左右に揺らさず前を向けることが重要です。特に腕を“引く”ことを意識すると、引いた腕から胸、腰、そして脚へと動きが伝わり、脚が前へと出ていきます。脚だけに頼らなければ、坂や風にも負けない走りができます。ランニングは、つい脚で走るものと思われがちです。しかし速く走るため、あるいは楽に走るためには、上半身を含めた全身運動が不可欠です。レース序盤から上手く上半身を使えれば、後半の疲労具合も違ってくるでしょう。
深く呼吸して酸素を巡らせる
疲れてくると、呼吸が乱れてきます。しかしそんな時こそ、深く呼吸することが大切です。そのためには、まず「息を吐き切る」ようにしましょう。空っぽの状態にならなければ、たくさんの新鮮な酸素が取り込めません。酸素は快適なランニングに欠かせません
特に登り坂、そして速いペースで走っている際には、酸素が不足しがちです。苦しさを感じたら、まず呼吸の状態を確かめてみてください。
疲れる前に休む
完走が目標なのであれば、思い切って休んでみるのも1つの方法です。しかし休むのは、疲れて走れなくなってからではありません。疲れを感じる前から休憩を取ってリスタートすることで、最後まで“動き続ける”ことを目指します。「もう走れない」となった状態は、まさに疲労のピークです。そんな状態では、回復するまでかなり時間が掛かるでしょう。再び走り出しても、思いのほか疲労が抜けておらずまた止まってしまう……という悪循環にもなりかねません。それならば、いっそ給水毎に休んでしまう。
休むのならば疲れを感じる前に
せっかくのマラソン大会ですから、思い切り楽しんでゴールしたいもの。確かに、辛さもゴール後には達成感へと変わります。しかし、少しのことでその辛さが和らぐかもしれないのであれば、試してみる価値はあるのではないでしょうか。
ここでご紹介したものは、誰でもすぐに実践できる内容です。もちろん私の経験則によるものですので、必ずしも結果に繋がるとは言い切れません。しかし、もし気になるものがあれば、ぜひ試してみてください。
【関連記事】