写真はイメージです。

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不動産経済研究所が5月17日に発表した4月の首都圏マンション市場動向によると、同月の新規発売戸数は前年同月比22.6%増と2ケタ増を記録し、また、マンション契約率は79.9%と、好調・不調の分かれ目となる70%台を4カ月連続で上回りました。さらに、国土交通省による3月の新設住宅着工戸数は前年比マイナス4.3%となり、大幅にマイナス幅を縮小させています。どうやら指標を見る限りにおいては、マンション販売が持ち直しつつある印象を受けます。

ところが、その印象をいとも簡単に覆す出来事が起こりました。デザイン性の高いマンション販売を得意とするジャスダック上場のプロパストが5月14日、東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。

  • 1月19日:日本航空(東証1部上場)が会社更生法の適用を申請
  • 5月06日:コマーシャル・アールイー(ジャスダック上場)が民事再生法の適用を申請
  • 5月14日:プロパスト(ジャスダック上場)が民事再生法の適用を申請

上場企業の経営破綻は今年3件目で、年明け、ナショナルフラッグキャリアである日本航空の経営破綻から始まりました。次いで、5月6日には倉庫や工場・店舗などの事業用不動産のサブリースや管理を手がけるコマーシャル・アールイーが民事再生法の適用を申請(負債総額は約150億円)。そして同14日、今回のプロパストの運びとなりました。驚いたことに、3件中2件が「不動産業」という結果です。市況が改善傾向にあるとはいえ、まだまだ不動産業者の先行きは安泰とは言えそうにありません。

「事前調整型」の再建スキームが、破綻のダメージを最小限に和らげる

さて、総額554億円もの負債を抱えて再建へと歩み始めたプロパストですが、その再建スキームはこれまでの破綻企業とは異なる点があります。5月14日の記者会見で、プロパストの社長が「債権者である金融機関45社の過半から民事再生計画に同意を得ている。上場を維持したまま再建を目指したい」(日経新聞5月14日)と話していたように、かなり前から利害関係者との間で“事前調整”が行われていたもようです。09年11月に会社更生法の適用をした穴吹工務店の場合は、穴吹社長とその他の取締役の意見対立(解任劇)を引き金に加速度的に法的整理に動きました。その流れとは対照的な手続きが、プロパストでは踏まれていたのです。

プロパストは2009年5月期の時点ですでに債務超過に陥っていました。そのため、かなり時間をかけて再建スキームを練ることが可能だったのです。債権者はもとより、マンション契約者への動揺も最小限に抑えたかったのでしょう。その甲斐あってか法的整理を発表後、マンション市場への影響はほとんどなく、「ドミノ倒し」との揶揄(やゆ)もメディアからは聞こえてきませんでした。

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実は、この「事前調整型の経営再建スキーム」は、今年1月の日本航空、また、09年6月に破産連邦法の適用を申請した米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)でも採用されていました。日航の再建をめぐっては、09年9月に事業再生の専門家5人を集めた「JAL再生タスクフォース」が発足し、また、「企業再生支援機構」の支援を受けるなど、再建中でも飛行機を飛ばし続け、利用客への影響を最小限に抑えるべく対策が打たれました。

プロパストにも同様の思いがあったものと個人的には推察しています。はたして、どのような企業に生まれ変わるのか、今後の再建のゆくえが気になります。


次ページでは、株価の著しい下落が気になる「レオパレス21」について、状況を振り返ってみることにしましょう。