企業経営のノウハウ/社内報の活用法

社内報のテンプレート! 読んでもらえるデザインとは

紙の社内報を発行しても、必ず社員に読まれるわけではありません。しかし、Web社内報だけでもなかなか読まれないでしょう。読んでもらうには、忙しい社員が読みやすい誌面デザインが必要です。今回は、テンプレートの活用の仕方や、読まれる社内報の作りのコツをご紹介します。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

社内報復刊のパナソニック……紙は強い!

社内報テンプレートで読まれる紙面作り

社内報を復刊する企業も多い

多くの企業で、経費削減の一環として紙の社内報(以下、社内報)を廃刊して、Web社内報に切り替えましたが、どこも閲覧率の低下に悩んでいるようです。この閲覧率の低下はグローバル化の流れも一因のようです。どうして閲覧率が低下、社内報離れが起きるのでしょうか?

あるグローバル企業の社内報を読む側の現場社員に聞いた話です。当初は社内報だけあり、コンテンツも日本国内の話題が中心でした。それがグローバル化の流れの中で、日英併記になりました。日英併記になると、単純にコンテンツ量は半分となります。さらに、海外の話題も多く掲載されるようになり、身近な話題が少なくなっていきます。結果、ここからまずは社内報離れが少しずつ起きたそうです。

そして、社内報が廃刊になりWeb社内報に切り替わりました。ヘッドライン的なニュースは項目を選んで閲覧するそうですが、特集企画のような長文のものは、ほとんど読まなくなったそうです。すると、結果として社内のことが良くわからなくなってきます。そこで、その企業も社内報を復刊させたということです。
 

デザインか企画か印刷か……どこから外部委託する?

このように読ませるツールとして強力な紙媒体ですが、社内報を発行すれば必ず読まれるというものではありません。読ませるためには3つのポイントがあります。読みたいコンテンツなのか。読みたくなるような切り口なのか。そして、読みやすいデザインとなっているかです。

社内報における読みやすいデザインとは、かっこいいデザインである必要はありません。忙しい社員が読みたいものか、読むべきものかをすぐに判別できるものであり、書いてある内容が分かりやすく置かれているものです。読者である社員はデザイン性を求めているのではなく、自らの仕事に役に立つ、モチベーションアップに繋がるコンテンツを求めているのです。

ですから、デザインを考える前に、読みたくなるような中身かどうか、企画立案が最も大切になってきます。この企画立案を外部委託する企業も増えています。社内報のアウトソーサーは他社事例を豊富に持っていますから、それらを交えながら企画の提案をしてくれます。

印刷について社内で対応できなければ外部委託します。その流れで印刷会社にデザインを依頼するケースも多いでしょう。あるいは、デザイン事務所、先の企画会社に企画とあわせてデザインも委託するケースもあります。デザイン未経験だと、デザインをブラッシュアップさせるには限界がありますから、外部委託という流れになります。

しかし、外部委託するとなると当然ながら費用がかかります。企画立案は専門書を読む、他社との社内報交換をするなどして、自社でやり繰りすることは可能でしょうが、デザインをさらに良くしたいとなると、どうしてもプロに頼らざるを得ない、でも費用がかかる。ではどうしたら良いでしょう?
 

社内報のテンプレートの活用

費用をかけずに自前のデザインをブラッシュアップするには、社内報のテンプレートを使うという方法もあります。下記にいくつかおススメテンプレートを紹介します。

Photoback
フォトブックススタイルです。費用は掛かりますが、印刷納品まで対応しています。

無料テンプレート
社内報(広報誌)のみならず、様ざまなテンプレートが無料で使えます。

マイクロソフトOfficeのテンプレート
マイクロソフトのテンプレート集です。無料で使えます。
 

キャッチ・リード・小見出し・写真の活用

テンプレートを活用する、デザイナーに依頼する、自分でデザインする。どの方法であっても意識したいデザインのポイントを最後に説明します。ポイントは親切な誌面構成です。
いかに読者の手を止め、読ませるか

いかに読者の手を止め、読ませるか

社内報は大抵、手に取ってパラパラとめくられます。ですから、そのページに手が止まるようなキャッチは必ず付ける必要があります。よく「社員満足度調査結果」とか、「第五期優秀営業賞決定」のような事実をキャッチにするケースがありますが、これはただの事実ですからキャッチの意味をなしません。例えば「当社の満足は、働く環境にあった!」とか、「これで来期はあなたが表彰される?! 受賞者のナレッジ大公開」、このようなインパクトのある表見でめくる手をとめなければなりません。

そして、キャッチの近くにはリードをしっかりと記します。この記事の企画意図、何が書かれているか、読むとどうなるのか、そのような編集担当者から読者へ熱いメッセージを掲載します。そもそも読まれるために企画しているのですから、ぜひ読んで欲しい、なぜなら……。というメッセージをしっかりと記すのです。

そして、本文には小見出しを必ず付けます。1頁企画であれば、3から5つは小見出しが欲しいところ。その小見出しも、そこに繋がる本文の内容がある程度理解できるようなものにします。社内報コンクール常連企業の担当者は、小見出しだけ読めば内容が分かるくらいに小見出しを充実させています。2行3行になる場合もあります。本文は読まなくても、リードと小見出しさえ読んでもらえればよいと割り切っていると言います。リードと小見出しがないと、本文を全文読まないと内容が分からず、忙しいと読んでもらえません。リードと小見出しを読むことで、自分は読むべきか、読まなくても良いかの判別がつくので、読まれる可能性も高くなります。

そして、最後は写真です。文章は読まなくても写真はパラパラとみてしまいがちです。その写真に付けられているキャプションもしっかりと記載しましょう。写真を見るついでにキャプションは読まれるものです。ですから、本文とは別のメッセージをキャプションに込めることで、ここでも伝えることができます。社内報コンクール受賞常連企業の社内報は、キャプションの方が本文より多い場合もあります。5行くらいあることもざらです。ここは読まれるそうです。

テンプレートをベースにしつつも、読まれる工夫は随所に入れながら、さらに読まれる社内報づくりを目指してみてはいかがでしょうか?

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