企業経営のノウハウ/社内報の活用法

パナソニック社内報復刊に見る、社内メディアの課題

社内報コンクールの受賞常連企業パナソニック。優秀な社内報が有名な企業です。社内の方針で紙の社内報を2012年に廃刊し、イントラネットでの配信に一本化しましたが、2015年1月に紙の社内報を復刊しました。なかなかWeb社内報は読んでもらえないそうです。一方で、海外も含めたグループ報が増えています。グループという大きなネタを扱うので、こちらもなかなか読んでもらえないとか。社内メディアの今日的課題を考えます。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

社内メディアを取り巻く環境変化

Web社内報が利用されている様子

社内メディア・ツールは時代と伴に進化しているが…

社内報、Web社内報などの社内メディアは時代と伴に変化してきました。

一つ目はツールの多様化です。ここ10年ほどでWeb社内報の導入が進んできています。大企業では既にあるイントラネットをベースにWeb社内報が構築され、社内報との住み分けがなされています。あるいは、社内報をコストの問題等で廃刊し、Web社内報に一本化している企業もあります。中小企業では、社内報ではなく、Web社内報から創刊するところもあるようです。

そして、社内インフラの進化に伴い、動画社内報が導入され始めています。動画制作にはコストと手間が掛かりますが、リッチコンテンツであり、臨場感もありますので導入されています。

二つ目は経営体制とのリンクです。同じく10年ほど前からグループ経営が標榜されはじめ、現在ではホールディングス化される企業も増えています。それに伴い、中核会社の社内報がグループ全体をカバーする、グループ報へと変化しています。掲載されるコンテンツもグループビジョンに関するもの、各グループ会社のニュースや紹介が増えています。配布先も全てのグループ会社へと変化しています。

最後はグローバル化の流れです。先のグループ報への流れと同じ枠組みです。対象が海外関連会社まで、グローバルに広がります。グローバル化を意識している企業では、社内報に海外ネタが多く登場します。海外へも同一の社内報を配布するとなると、日英併記か同一内容、デザインの別冊子、英語版社内報や中国語版社内報が創刊されます。

このように社内メディアのツールが多様化され、社内メディア自身もグルーバル化されることで、時代の趨勢に合った進化された社内メディアとなってきたとみることもできます。しかし、一方でWeb社内報の閲覧数の伸び悩みであるとか、グループ報が読まれないといった課題が噴出しています。進化した社内メディアにはどのような課題があり、どのように解決策したら良いのでしょうか。

パナソニック社内報復刊とPull型メディアの限界

社内報コンクールで何回も表彰されているパナソニック。優秀な社内報を編集する企業として有名です。2012年に、イントラネットの特性を生かして、より早く、グローバルに社員へ情報を伝えるために紙の社内報をやめてイントラネットに一本化されましたが、2015年1月に紙の社内報を復刊させました。

多くの企業で、経費削減の一環、あるいは、様々な理由から、社内報を廃刊して、Web社内報に切り替えましたが、どこも閲覧数の低下に悩んでいるようです。Web社内報では、ヘッドライン的なニュースは閲覧されるのですが、特集企画のようなじっくりと読んでもらいたい長文のものは、ほとんど読んでもらえないそうです。結果、社内のことが良くわからなくなってきてしまう。伝えたいメッセージが伝わらない。そこで、社内報が復刊となるのです。

SNSなど日常生活にWebが入り込んできており、Webのリテラシーは高くなっているはずです。しかし、考えてみれば、Webは読むより見るメディアに近く、また自らの興味があって初めて見に行きます。面白くないと感じれば、二度と訪れることはないでしょう。そのような経験がある中で、社内のネタを用いてどれだけ従業員の興味を引き付けられるか、ここにPull型メディアの限界があるように思われます。

また、社内報は就業中に読んだとしてもとやかく言われないのですが、Web社内報を閲覧していると遊んでいると思われるという企業は多いようです。このような風土がある限り、従業員は進んで読もうとはしないでしょう。また、現場がある企業、一人一台パソコンが無い企業では、工場に閲覧のための共用端末を設置しているようですが、どうも利用されていないようです。
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