人材育成・社員教育

もしかして五月病? 「今の仕事、何か違う」違和感に気づいた時の対処法

無気力な状態が続きやすい5月。「今の仕事、何か違う」といつも以上に感じやすくなることもあろう。仕事の満足度は人生の豊かさと関係が深いため、そのような違和感に気づいた時は、早急に何らかの対処をするべきである。その選択肢について、人材コンサルタントの小松俊明が解説する。

小松 俊明

執筆者:小松 俊明

転職のノウハウ・外資転職ガイド

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ストレスを感じやすい5月。仕事に違和感を持ったらどうすべき?

5月は、1年の12カ月の中でも、心身の不調に関して注視されがちだ。

進学、入社、異動、引っ越しなどイベントが盛りだくさんの4月は、多くの人が環境の変化を経験する。その変化の直後であるゴールデンウィークを終えたころに感じる心身の不調が、「五月病」と呼ばれる。

「学校や会社に行きたくない」「勉強や仕事に集中できない」「食欲がなく、よく眠れない」など、その不調はさまざまだ。医学的に正式な病名ではないが、年代に関わらず、誰にでもいつでも生じる可能性があり、こじらせると厄介である。

このような不調に伴い、「今の仕事、何か違う」と感じることもあろう。この違和感に気づいた時は、早急に何らかの対処をするべきである。そのときの選択肢について、人材コンサルタントが解説する。
 

五月病に特に注意したい人の特徴

もし以下の3つの中で1つでも自分に当てはまるものがある場合は、心身の不調に少し注意したほうがいいかもしれない。
 
  1. 悩みを自分で抱え込みがちである
  2. 周囲の評価に敏感である
  3. 高い理想がある・誰にも負けたくない・完璧主義・プライドが高い

例えば最近では、オンライン会議をすることが増えたが、会議を終えてオフラインにしたとたん、1人での在宅勤務の状態に戻る人も多いに違いない。1人で仕事をすることが多い人は、1つ目に特に気をつけたい。

また3つ目のタイプは、優秀で周りからの評価が高い人にも多い。うまくいっているときはいいが、うまくいかなくなったときにバランスを崩す人がいる。
 

五月病に注意したい職場環境は

例えば職場の社員が皆、とても忙しい場合。自分の仕事で精いっぱいであり、上司や先輩が日々残業を繰り返しているような職場は、相互のコミュニケーションが減る。そのような職場には、若手社員にとって上司や先輩に相談しにくい雰囲気がまん延している。

またパワハラ・セクハラ体質の上司や先輩が散見されるなど、各種ハラスメントが横行する職場には社員間のストレスが蓄積しており、若手に限らず、ある日突然、社員が不調になることが多い。

つまり、ストレスと疲労は蓄積されるものであり、あらゆる悪循環をもたらす。1年の中でさまざまな変化の多い5月頃に変調をきたす社員が増えることから、俗に五月病といわれるようになったが、このような対人関係や職場環境は5月に限らず、社員に違和感を持たせるきっかけになりやすい。
 

5月だけではない!? 仕事への違和感の発生源

変化に対応することがストレスを生み、心身に変調を起こしがちな5月以外でも、「今の仕事、何か違う」と感じることは日常的に起きうる話である。

部署の異動によって新しい仕事を担当することになった人は新しい仕事の進め方を覚える必要があるが、それがうまくいかない時、その原因は何であろうか。

引き継ぎ書がない、同僚間で業務内容がはっきりとわかりやすく分担されていない、指導役の上司や先輩がいない、指示が明確でない、職場が人材不足で仕事がまわっておらず、常に締め切りに追われている、職場の誰もが残業が多いなど、いろいろな原因が考えられる。つまり、本人の能力や努力とは異なることが原因で、仕事の悩みが発生することの方が、実際のところは多いのである。

本来、仕事にはいろいろな種類があり、本人の適性に合った仕事もあるし、その逆もある。しかし、多少の苦手意識が最初はあっても、新しく部署に加わったメンバーに対するそれなりのサポート体制が職場にあれば、本人は時間をかけてでも苦手を克服し、仕事に適応していけることが多い。

一方で、前述のような外的な問題の数々が原因となり、当事者が仕事になじめず、パフォーマンスも低いままである場合、「今の仕事、何か違う」と違和感を持つようになるのも時間の問題である。もちろん、中には自分の能力や努力が足りないのだと、自分自身のみを責めてしまうタイプの人もいる。この場合は、5月だけでなく通年、そのような状況に陥った社員を支援しなければ、大切な職場の戦力を失ってしまうかもしれない。

在宅勤務の広がりは、時間短縮や業務の効率化、そして経費削減など、プラスの影響をもたらした面も多い。一方、明らかに職場の問題を増やしてしまったのは、対人関係の希薄さ、いわゆる相手への無関心などが、一部で助長されてしまったことが原因である。

仕事へのやりがいは、1人で仕事と向き合っている時に得られる達成感だけでなく、他者とともに取り組んだ仕事で達成感を分かち合うことで得られる部分も大きいものである。

一見非効率的でも、時には対話に多くの時間を割いたり、同じ場所を共有したりすることが、悩みを克服するきっかけになることがあるから、在宅勤務やオンライン会議の頻度もほどほどにすべきなのかもしれない。

>次ページ:「今の仕事、何か違う」なら、どうすべき?
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