企業経営のノウハウ

売上げに苦しむ店舗にこそ「清掃」が大切な理由

売上が徐々に下降し始めている、常連のお客さまが減ったような気がする、客単価が下がってきた。このような店舗経営でピンチから抜け出す方法は「清潔感」を保つこと。用具のことからちょっとしたコツまで店舗と掃除にまつわる基礎の基礎を紹介します。

執筆者:植竹 剛

まずは3現主義で店舗の状態をチェックする

3現主義とは現場・現物・現実を指します。最近では原理、原則を加えて「5ゲン主義」とも言われています。現場に行き、現物を見て、現実を知る。原理を学んだ上で、原則を作って継続的に運用する、と当てはめてみましょう。

店舗での仕事は雑多なものを含めると数百項目にもなります。あなた一人ですべての業務や作業を毎日続けるのはとても大変です。そこでアルバイトを雇って作業を代わりに行ってもらいます。ここで気を付けたいのがアルバイトが行った業務の観察・確認です。

オーナーであるあなた以上に、品質のことや店舗全体のことを考えてくれる人はいません。つまりあなた以上に優れた作業をする人はいないということです。あなたの業務品質を100点とすれば、他人は80点で優秀です。あなたは残りの20点分のフォローをすれば良いと考えるべきです。

しかし丸投げ状態にすると、段々状況は悪化してきます。その最たるものは清潔感です。


清潔感を保つには

店舗の清掃は出入口や店内の床、トイレなど多岐に渡ります。正直、家庭では毎日ここまで全体を清掃することはあまりしないでしょう。しかも店舗での清掃で困るのは、イレギュラーな汚れがあるとその除去に時間が掛かり過ぎてしまい、他の清掃ができなくなる恐れがあるということです。

はこP店内画像

清潔な店舗はお客さまに好印象を与えます

このような出来事が積み重なると、このお店、なんとなく汚い、とお客さまに悪い印象を与えてしまうことになります。

ここで必要なのが、アルバイトさんなどオーナー以外の人に作業をお願いする場合のルールづくりです。できるだけシンプルなものを心がけましょう。

1.まずは店舗全体を清掃する。
2.ガンコな汚れに気付いたときに蛍光色の付箋を貼っておく。
3.オーナーに伝えて自分でやるかオーナーがやるかを決めてもらう。

このレベルで大丈夫です。アルバイトさんも動きやすくなるでしょう。オーナーであるあなたも、店舗全体の清潔度をチェックしながらスポットの汚れに対応すればよいことになります。


清掃で大切なこと

清掃の仕方を確認しましょう。清掃の基本がいくつかあります。まずは天井、上からです。ほこりの除去は大切です。初めてご来店されるお客さまの目線は左右の次に上に行きます。その時照明の傘にホコリが、となるといきなりマイナススタートです。避けたいですね。

そして床の掃除機掛けなどでは奥から手前、角や隅を念入りにしましょう。飲食店は特に清潔感にこだわるお客さまが多くご来店されますので気を付けましょう。

あと意外に実践されていないのは、「雑巾は2枚、両手で持って」です。片手1枚だけで清掃をして、もう片方の手は腰にあったり、自重を支えていたりします。これでは生産性は50%になりもったいないです。両手を使って雑巾がけすれば、ガラスやテーブルの清掃時間が劇的に短くなりますのでオススメです。

>> そして、忘れがちなことで案外大切なことがあります。


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