かつてのヒット商品のリバイバルのメリットとデメリットとは?
かつてのヒット商品のリバイバルは、短期的には売上増に寄与するが、長期的にはマーケティング力の減退につながる
一方で、かつてのヒット商品のリバイバルは、企業側にとってメリットばかりではなく、そこには落とし穴も待ちかまえている。
それが長期的なマーケティング力の減退だ。
安易にかつてのヒット商品に頼れば、顧客のトレンドを見極めたり、最先端の製品を開発するために技術を磨いたり、競争を勝ち抜くうえで重要なマーケティング力の向上が損なわれることにつながるのだ。マーケティングで成果を上げ続けるためには、常に消費者の変化に敏感になり、期待を超え続けられるような製品やサービスを追求していく必要がある。そこで、楽をして売上を上げる誘惑に駆られてしまえば、短期的には数字の底上げはできるかもしれないが、企業の長期的な成長にとっては、重要な役割を果たすマーケティング力が磨かれずに、衰退していく原因とも成り得るのだ。
実際に最近業績が好調なスターバックスなどは、毎年期間限定で発売するフラペチーノでヒット商品が生まれても再発売は考えずに、常に顧客を驚かすような新製品の開発を追求していくという姿勢を貫いている。これが企業としての本来のあるべき姿ともいえるだろう。
今回、吉野家、マクドナルドとも、かつてのヒット商品の復活で、ある程度の売上アップを見込めるだろう。ただ両社とも業界を代表する企業だけに、今回のヒット商品の復活を橋頭堡にして、次なるヒット商品を生み出すことを期待したい。