マンション購入術/新築マンション購入の流れ

還暦過ぎても、2~3回の住み替えは当たり前になる

1955年ころの平均寿命は67歳程度、定年は55歳、定年後12年ほどが老後期という位置づけでした。ところが、2000年になると寿命は85歳程度にまで伸びました。それにともない定年も65歳まで延長。定年後の66歳からの20年を、老年期と見なすのは元気なシニアが多い中、今の住まいスタイルは実態に合わないように思います。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

老後の住まい方

老後の住まい方、考えたことがありますか?

定年後の10年、65歳から74歳までは人生を楽しむリタイア期、その後の75歳から85歳までの10年を老後期と位置づけてみると、2つのライフステージが存在することになります。

本来、ライフステージが変化すると住む人の暮らしも変化します。住まいは暮らしの器なので、新しい暮らしに合う住まいへの住み替えが望ましいということになります。つまり60代で1回、70代でさらにもう1~2回、住み替えニーズが発生するのです。


リタイア期の住み替え先は趣味優先で

定年までの暮らしは仕事優先なので、住まい選びは通勤を重視します。都心からの近さや便利さを追求したため、住環境は二の次。でも定年後のリタイア期は仕事優先から私生活優先、つまり趣味やボランティアなどの社会活動が中心になります。

そうしたことを優先した住まい選びは、必ずしも都心である必要はありません。生活の便利さと住環境の両方を兼ね備えた準郊外(都心からの乗車時間が30分~40分)や郊外(都心からの乗車時間が50分~60分)の住宅地のほうがむしろ、趣味や社会活動の拠点としてはふさわしい、という面もあるでしょう。

さらには、特に男性に多いのですが、思い切って田舎暮らしに挑戦!という考えもあります。田舎暮らしはゴルフなどのスポーツ、菜園、木工など、ある程度体を使う楽しみ方なので、アクティブシニアなら、一度は経験したいリタイア期の暮らしといえます。


都心から郊外、田舎への住み替えが経済的

こうしたリタイア期の住み替えは、少子・高齢化に伴う空き家の増加・需要減で、地方だけではなく、大都市圏の郊外の住宅価格・家賃の下落を招いており、以前より住み替えがしやすくなる傾向にあります。

もちろん、住み替えとなると自宅を売却したり、貸したりするわけで、当然こちらの方にも価格・家賃の下落は影響するものの、都心から郊外、田舎への住み替えであれば、高いところから安いところへの移動ですから、経済的には有利といえます。

居は気を移すといい、住まいが変われば自分をとりまく環境もかわるためおのずと生活自体も変化します。これまでの仕事人生から大いなる転換を図りたい方々には、リタイア期の転居はこれからの人士の起爆剤となるでしょう。

老後期の住み替えは大きく2つに分かれる……次のページ
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