将来、すかいらーくがマクドナルドを追い抜ける3つの理由

すかいらーくは、売上高と利益率については日本マクドナルドを上回っており、業界トップクラスだ。上場廃止後、不採算店舗の閉店やムダの排除などに力を入れた結果、企業の財務体質はとても強いものになっていたと言えよう。

すかいらーくが時価総額でも日本マクドナルドを抜いて外食業界トップになる可能性も出てきた。それは、日本マクドナルドが苦境に陥っていることだけが理由ではない。すかいらーくが持つ3つの強み、「低価格」「出店場所」「品質」がその理由だ。

理由1:低価格

現在、すかいらーくグループの主力はガストだ。日本の景気が低迷する中、すかいらーくは既存店を低価格レストランであるガストに業態転換させたり、ガストの出店強化を行った。これによって多くのファミリー層、サラリーマン層を引きつけた。

ガストはこれからもまだまだ伸びる余地がある。多くの企業で給料が上がらず、ビジネスパーソンの小遣いが少ない状況の中、低価格向けのファミレス需要はますます高まっていくはずだ。また最近の”ちょい飲み””サク飲み”ブームもファミレス需要向上の後押しとなるだろう。

理由2:出店場所

少子高齢化によって”都市への人口集中”がますます加速している。また、若い人を中心に車離れという状況も加速している。つまり、こうした背景を考えれば地方や郊外のロードサイド店よりも、駅近やショッピングモール内での出店の方が圧倒的に伸びる余地があるということだ。

すかいらーくは、今回獲得した上場益によって、今まであまり手を入れて来なかった駅近やモールでのレストラン展開を強化していく。マクドナルドとの比較で言えば、すでに駅近、ショッピングモールを出店場所として選んでいるマクドナルドよりも業績上昇の余地は大きい。

理由3:品質

ファミレスの味のクオリティは日に日に高くなっている。これはすかいらーくグループ、ガストに限らず、サイゼリヤのような競合でも同じことが言える。かつて「ファミレスの食事はおいしくない」という人達もいたが、今や味のクオリティが格段に上がった。

対マクドナルドという点では、マックカフェの普及、食品品質事件、商品単価の上昇によってマクドナルドから離れていったファミリー層、サラリーマン層、学生層の受け皿としてファミレスは人気が高まっているのだ。その大前提となるのが、低価格でも美味しいというポイントだ。味が満足できて安く食べられる。ここ10年で飛躍的に向上した”味”はすかいらーくグループの強みになっている。

すかいらーくの課題と未来

企業経営的には売上額・利益率とも業界トップクラスの水準であり、非の打ち所は少ない。さらに上場による資金調達が出来たことで、事業規模を広げることの出来る準備は整った。時価総額業界第一位の日本マクドナルドを追い抜く可能性も見えて来た。こうした意味で創業者にとっては予想外だったが、企業としてMBOは成功だったと言えよう。

順風満帆なすかいらーくグループだが、最後に一つだけ課題を伝えたい。それはブランドの魅力作りの問題だ。今は「低価格ならガスト」「和食なら夢庵」「中華ならバーミヤン」というように基本的には「低価格×良質×専門性」で成功している。しかし、お客さんからしてみれば、ガストでも、夢庵でも、バーミヤンでも「この料理を食べたい」という特別魅力的なメニューがない。低価格は消費者にとって大きな魅力であるが、低価格だけではいつか飽きられてしまう。今後の課題は、魅力的なメニュー開発だ。ちなみに競合企業は魅力的なメニュー作りに注力しているところも多い。特にデニーズは店舗限定のメニューまで用意している。

すかいらーくが外食産業トップになる可能性は大いにある。鍵を握るのは魅力あるメニュー開発の強化によるリピーターの醸成にあるだろう。


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