リーダーシップ/リーダーシップの基本知識

これからのリーダーの要件-情けは人の為ならず(2ページ目)

ペンシルバニア大学名門ビジネススクールウォートン校の史上最年少終身教授であるアダム・グラント氏のデビュー作である『「与える人」こそ成功する時代』をベースにこれからのリーダーの要件を考えてみたいと思います。”情けは人の為ならず”が今後のリーダーシップ開発においても新しい視点となるでしょう。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

「ゆるいつながり」という人脈づくり

つながりは今の時代のキーワードです。ゆるいつながりを全方位的に構築しましょう

つながりは今の時代のキーワードです。ゆるいつながりを全方位的に構築しましょう

ネットワーク時代、つながることはキーワードでしょう。360度繋がるためには、上下左右に人脈を形成することです。上と下の世代、違う業界や職種、あらゆる方向に緩く繋がることが求められます。かつて上だけを見ていると揶揄された「ヒラメ層」はもはや死滅しつつあります(笑)。

一つに強く繋がってしまうことは他との繋がりを否定することになりかねません。繋がりのバランス性を意識して、色々なところから評価される実績と人柄を有することが求められます。繋がるためにはあくまでも実績が第一であり、次に人柄です。悲しいかな、人柄だけではなかなか繋がらないものです。バランス性のあるゆるい繋がりが最適と言えましょう。圧倒的な実績こそが繋がり力になっていきます。

「強いリーダーシップ」より「影響力」

今ほど、カリスマ性のあるリーダーが求められない時代はないかもしれません。インターネットの出現により、世界がフラットに繋がり、Googleを中心に情報の共有化が飛躍的に進みました。その結果として、地域や階層などを越えて情報は行き交い、もはや情報のコントロールは利かなくなりました。

このような時代に、強いリーダーシップは必要ではありません。リーダーシップではなく、影響力こそがリーダーとしての要件です。リーダーには枕詞が付き物ですが、オピニオンリーダーが最も的を射ています。その人の意見が不特定多数の人々の共感や賛同を得て、その分野で最も影響力がある人です。オピニオンリーダーと呼ばれる人の価値は今まで以上に高くなることでしょう。

最後に、日本はギバーが多い社会であると思います。自己犠牲まではいかないにせよ、他者志向性が強い国民性と言えることでしょう。ギバーが潜在的に多いことは「天然資源」と言え、いよいよ明るい兆しが見えてきたとポジティブに捉えることができるかと思います。

日本人のDNAをベースにしたリーダーシップがグローバルに受け入れられる可能性があるとガイドの私は考えています。
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