2013年夏、ジャポン・ダンス・プロジェクトとして初の作品を
カンヌで発表されています。創作はどのように行いましたか?
小池>オリジナルメンバーはみんな振付もするので、創作は5人全員で行いました。プロジェクトには通常まずリーダーや振付家がいて、ダンサーがいて……、というスタイルですよね。だけどジャポン・ダンス・プロジェクトの場合、リーダーもいなければ明確な役割分担も決まってない。全員で意見を出し合いながらつくっていたので、最初はどうなるんだろうっていう不安がみんなあったと思う。でもやっていく内に、だんだんそれぞれの居場所が見つけられたというか……。お互いバラバラの国で活動しているので、普段はスカイプやネットを使ってやりとりをしています。私はモナコ在住で遠藤さんはマルセイユと近いから、ふたりで会って一緒にリハーサルをした映像をネットで送り、それを見ながら“こういう方向だったらこんな感じがいいんじゃない?”とみんなで話し合ったり……。だから、10年前だったらできなかったかもしれない。今の時代だからこそできるプロジェクトではありますね。
(C) TOKIKO FURUTA
メンバーの中で紅一点のミモザさん。
プロジェクトではどんな立ち位置なのでしょう?
小池>どうなんでしょう……。私はバランスを取る位置じゃないでしょうか(笑)。妹という感じでもないし、宇宙人みたいな感じ(笑)。たぶん、あまり女性だとは思われてないはず。だけど、外から見たらひとりだけ女性なんですよね。そこがまた、このプロジェクトの面白いところかもしれません。(C) TOKIKO FURUTA
みなさん活躍の場も違えばスタイルも違う。
やはりお互い刺激を受ける部分はありますか?
小池>そうですね。やっぱりみんな何かしら刺激を探してたんじゃないかなって気がします。私自身刺激を受けることはもちろんあるし、刺激を貰えるひとたちの中にいるのが好きなんですよね。これだけ違う人間がいるんだから違う考え方があるし、違う考え方に生でぶつかり合っていくのがいいところ。私は常に、カメレオンのようになりたいと思っていて……。例えば誰かと一緒に踊るにしても、相手が変わればそのひとによって全く別の動きが出てくるはず。このひとと踊るとまた違うエネルギーが出て、別のひとと踊るとまた違う反応が出てきたり。空間にしても同じで、広い場所と狭い場所では踊っていてもいろいろな感情の出し方がある。カメレオンのように、そうやっていろんな色に変わっていけたらなと思っています。
(C) TOKIKO FURUTA