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小池ミモザ『CLOUD/CROWD』インタビュー!(3ページ目)

世界で活躍する5名の日本人ダンサーにより結成されたジャポン・ダンス・プロジェクト。彼らがこの夏日本で新作『CLOUD/CROWD』を上演、世界トップレベルのステージをみせつけます! ここでは、メンバーのひとり、小池ミモザさんにインタビュー。プロジェクトの発足や創作法、今後の展開についてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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メンバーの5名に加え、今回はゲストダンサーが参加しますね。

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(C) TOKIKO FURUTA

小池>小尻さんは本当に素晴らしいダンサーで、ずっと前からプロジェクトができたらと思っていたので、今回一緒に踊れてすごく嬉しいです。堀田さんはどちらかというとコンテ寄りの方で、ポワントワークとコンテンンポラリーが交差したらどうなるんだろうっていうチャレンジがありました。

加藤くんは私と同じカンパニーの若手ダンサー。ジャポン・ダンス・プロジェクトを続けていく上で、今の日本人の若い子たちにも“こういうつくり方があるんだよ”と伝えていきたいという気持ちがあって。もちろんフレッシュの良さもあるだろうし、キャリアがあるひとたちと若いひとたちが同じ空間で交差したとき、どんなリアクションが生まれるかという部分も興味があるところです。

いろいろなキャラクターが混在しているのがジャポン・ダンス・プロジェクトの良さ。“こんなひとたちが一緒に踊っていいんだ”という、ジグザグした感じ。まとまってるだけがキレイじゃないんだぞ、っていう部分を見せていきたいですね。

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(C) TOKIKO FURUTA


新作のタイトル『CLOUD/CROWD』(雲/群衆)の由来とは?

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(C) TOKIKO FURUTA

小池>同じ雲の下で、いろんな雲の下で、人間が生きている。私たちもあちこちに散らばりながら、でも日本を背負って生きている。プロジェクトでやりたいのは、“日本”が雲のように浮かんで、いろいろなところへ動いていける感じ。

『CLOUD/CROWD』のポスターを海外で見せると、“交差点だ、これは日本のイメージだよね”と言われる。だけど日本人に見せると、“いや、これは日本じゃないよね”と言う。どこにでもあるようでどこでもないような、そういうところがすごく面白い。“日本”がいろいろな場所に動いていき、いろいろなところでプロジェクトができたらというイメージが込められています。

 

“群衆”は、今の時代に思うこと。最近はネットのお陰で実際に現地へ行かなくてもいろんなことを知ることができるし、どんどん世界が狭くなってる。一方で、近くにいる人同士の会話はどんどん失われてる。電車の中でもそうだけど、みんなケータイばかり見て誰も喋ってないですよね。どこかで繋がってるんだろうけど、それは近くではなく遠いところだったりする。例えばキレイな花が目の前にあっても、みんなケータイをいじっててそれを見てるひとは誰もいない。だけどみんなこの花が美しいことは知っていて、それはネットを通じて感じてることなのかもしれない。

 

“あれ、何か前とは違う”“何でこんなに喋らなくなっちゃったんだろう?”って思う。そういう微妙な感覚が、みんなにもきっとあるはず。コネクトしてるけどコネクトしてないような、微妙な距離感というのを今の時代にすごく感じていて、それを表現できたらと思っています。

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(C) TOKIKO FURUTA



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