さっぱりした酸味が心地良い洛神花茶
紅玉紅茶(左)と洛神花茶(右)に杏仁豆腐を重ねた二層ゼリー
クエン酸には、キレート作用とよばれるミネラル分の吸収率を高める働きがあるので、適度なクエン酸を摂取することは、夏バテ防止にもつながります。また、疲労の原因にもなる筋肉に溜まった乳酸や余分な脂肪を燃焼させてくれる働きもあるので、疲労回復につながるといわれています。
そこでおすすめなのが、鮮やかなルビー色が印象的な台湾の花茶「洛神花(らくしんか)」。ハイビスカスティーや酸梅湯(さんめいたん)にも使われることの多い洛神花は、鮮やかな色と豊かな酸味が魅力です。
ローゼルとも呼ばれる洛神花は、台湾東部が主な産地。花そのものではなく、花のガクを乾燥させたものですが、花茶の一種としても知られています。お茶として楽しむ他、ゼリーやジャム、お酒など、様々な形で広く親しまれており、その効能は、生薬としても利用されています。
洛神花を2~3個ティーポットに入れてお湯を注ぐと、みるみるうちに鮮やかなルビー色になり、その美しさに目を奪われます。この美しい色みは、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であるアントシアニンの色素によるもの。抗酸化作用とは、老化の原因となる活性酸素の生成を抑制することで、アンチエイジングや生活習慣病予防などに役立つとされています。
お茶ゼリーを楽しむ
クエン酸などの有機酸やビタミンCを含むさっぱりした酸味、アントシアニンを含む鮮やかな色を持つ洛神花は、お茶としていただく他、ゼリーにしても涼やかに楽しむことができます。50mlのお湯に5gのゼラチンをよく溶かし、150mlの洛神花茶を加えて、粗熱を取ったあと冷蔵庫で冷やします。二層にする場合には、洛神花茶ゼリーが固まった後に、上から杏仁豆腐を加えてさらに冷蔵庫で冷やし固めます。お好みで、氷砂糖やガムシロップなどで、洛神花茶に甘みを付けてから固めても良いでしょう。爽やかな風味の紅玉紅茶をゼリーにして楽しむときには、気をつけたいことがひとつ。アイスティーを作るときに濁りが出てしまい、せっかくの涼やかな透明感がなくなってしまうという経験のある方も多いはず。クリームダウンとよばれる濁りは、冷やすときの温度変化によって、紅茶に含まれているタンニンとカフェインが結合し、結晶化してしまうために起こります。
濁りの少ない紅茶ゼリーを作る簡単な方法は、水出し紅茶を使うこと。茶葉に常温の水を注ぎ、冷蔵庫の中でゆっくりと抽出します。こうすることで、クリームダウンの原因になる温度変化を防ぐことができ、透明度の高いアイスティーが出来上がります。ほんの少しのお湯でゼラチンをよく溶かし、アイスティーに混ぜると、ほとんど濁りのないゼリーになります。シロップなどで甘みをつけてもクリームダウンしにくくなります。
画像の紅玉紅茶ゼリーの部分には、全く甘み付けをしていませんが、水出し紅茶を使ったことで、透明度の高いできあがりになりました。