「妖怪ウォッチ」は「ポケモン」に次ぐ数十年に一度のアニメなのか?

「妖怪ウォッチ」は「ポケモン」になれるのでしょうか。私は「妖怪ウォッチ」が「ポケモン」と同等以上になる可能性は十分あると考えています。その理由は以下の通りです。

2014年3月、東京駅八重洲地下街において「妖怪ウォッチ」の期間限定ショップ「妖怪タウン」が開店しました。開店前から数時間の行列ができたのですが、あっという間に品切れを起こし2日間で閉店に追い込まれる事態になりました。「ポケモン」もブームに火がつき始めた頃、東京駅八重洲口にポケモンセンター(ショップ)ができ、入場まで数時間待ちの行列ができてニュースにもなりました。「妖怪タウン」も2日で閉店となりましたが、結果的には今まで「妖怪ウォッチ」とは関係のなかった人たちに「妖怪ウォッチ」人気の高さをアピールすることに繋がりました。こうして「妖怪ウォッチ」は社会現象化への道を歩き始めます。

万人受けするキャラクター

老若男女から人気を得て人気になるようなアニメには、往々にしてかわいいキャラクターがいます。「妖怪ウォッチ」も妖怪の怖い部分はなく、かわいく、憎めないキャラクターばかりが登場します。「ポケモン」「アンパンマン」なども同様で、敵役も含めすべてのキャラクターが親しみやすいキャラクターになっています。老若男女に10年以上に渡って愛されるためには、必要な要素といえるでしょう。この点においても「妖怪ウォッチ」は「ポケモン」に並ぶ可能性を秘めていると言えます。

単発で終わらせない時間軸の設定

「妖怪ウォッチ」も「ポケモン」と同じく、さまざまなキャラクターがいます。そして「ポケモン」同様に「妖怪ウォッチ」のキャラクターも進化していきます。このキャラクターの進化、多様化によって「自分のお気に入りが見つけられる」という付加価値が生まれ、ストーリーも単発的なものから継続的なものに変わって行きます。

また映画やゲームでもシリーズ化していくことで、つねにアクティブな状態をキープしていくことにも繋がっているのです。さきほど、新しい任天堂DSソフトのゲームが100万本の大ヒットをしたと書きました。今や音楽や書籍でも難しいミリオン達成です。コンテンツビジネスの場合、100万というラインを超えると社会に定着するという傾向があります。その意味でも「妖怪ウォッチ」は「ポケモン」のように10年先まで続く成長サイクルに入ったと言えるのです。

「ポケモン」を超えるか超えないかの一線とは?

「妖怪ウォッチ」は「ポケモン」に同等以上になる可能性を秘めていますが、そのためにクリアしなければならない重要なポイントが一つ残されています。それは”メッセージ性”です。

「ポケモン」にしても「ドラえもん」にしても「アンパンマン」にしても、ロングヒットを記録するアニメに共通するのは、親から高い支持を得ていることです。つまり、親が子どもに見て欲しい要素があるということなのです。その要素とは「正義」「友情」「信頼」「勇気」などです。現在「妖怪ウォッチ」の内容の中心はギャグです。中長期的に人気をキープしていくためには、このような要素を入れることは外せません。今夏、映画が公開されますが、長編において「正義」「友情」「信頼」「勇気」などの要素が大きく打ち出されれば「妖怪ウォッチ」は「ポケモン」と同等以上の存在になっていくでしょう。この点にはとても注目しています。

レベルファイブの「クロスメディア戦略」を考えれば、もう少し先のことまで考えていることでしょう。例えば、企業とのタイアップです。具体的には、企業のCMに妖怪ウォッチのキャラクターを登場させるというものです。トヨタのCMに実写版ドラえもんが登場したり、ゆるキャラが大人気になり菓子メーカーとコラボしたり、初音ミクなどのボーカロイドがCMに出たり、タレントや俳優ではないキャラクターを企業が起用するケースが増えています。将来的には「妖怪ウォッチ」の登場キャラクターが一人歩きし、タレント的に扱われていく可能性もあります。

「妖怪ウォッチ」は成功すべくして成功しました。当たるか当たらないかやってみないとかわからない要素が強いエンタテイメント業界において、確固たる成功方程式を造り上げたレベルファイブのビジネス構築力には拍手を送りたいと思います。


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