天然石のカウンタートップは本当におすすめか?
「セントラルパークタワー・ラ・トゥール新宿」ペントハウスのキッチン
確かに天然石の質感は、見た目の重厚感をとっても人工大理石やステンレスなどよりも優れている場合が多いと思われるし、オープン化した今どきのLDKのなかにおいても、空間デザインにおけるバランスに一体感が生まれやすい気がする。
とはいえ、シミが出やすく、一旦変色すれば抜くことのできない点が天然石のデメリットだ。日々こまめな手入れを必要とする、いわば使う人を選ぶ材質なのであるが、買い手がどこまでその善し悪しを理解できているか(または販売側が伝えているか)、大変気になるところだ。
おいしい料理ができるキッチン
現在は、ブルモーションの付いた引き出し式収納やビルトイン調理機器などが装備として付いているかどうか(あるいは対応しているか否か)、でグレードを判断してしまう傾向にあるようだが、まず本質的にキッチンに求めるものは何かを認識しておきたい。機能性(使い勝手)、メンテナンス性(お手入れ)、デザイン性(スペース効率)といったキッチンを評価する尺度はいくつかあれど、シンプルにキッチンに求めたい要素とは、なにはともあれ「おいしい料理ができること」ではないだろうか。
マイホームの場合、不特定多数の人が料理するわけではない。つまり「そのキッチンに立つ人」が、実力を発揮できる、欲を言えば腕前が向上するようなキッチンが最も望ましいはず。よく食器洗い機はシンクの右下にあれば使いやすいなどというが、これは右利きを前提にした話である。