富士フィルムの危機と業態転換

自己変革をリードするには、バリュー、ミッション、ビジョン、ストラテジーの明確化が求められます

自己変革をリードするには、バリュー、ミッション、ビジョン、ストラテジーの明確化が求められます

2000年に古森社長が就任した頃、写真の世界にデジタル革命が一気に押し寄せ、売上の6割、利益の3分の2を稼ぐ主力事業であった一般写真市場、コア商品であった写真フィルムの売上が10年間で10分の1以下に激減しました。まさに本業喪失の危機と言えます。

「富士フィルムを21世紀を通じてエクセレントカンパニーとして生き残らせること」を命題に、古森社長は経営改革を断行しました。その結果として、現在、医療機器や医薬品、化粧品などのヘルスケアや液晶用フィルム等の高機能材料など、6つの分野を中心とする多角化企業に生まれ変わったのです。

以下、古森氏の著書『君は、どう生きるのか』をベースにいくつかのテーマをピックアップし、リーダーシップを考えたいと思います。

「会社は自分のもの」と思えるか

古森氏は「人一倍、会社思いだった」ことが社長になった理由の一つと考えています。オーナーシップを持って働いていると、仕事に対する愛着が生まれると述べています。

ガイドの私は、当事者意識、目的意識、危機意識の3つが自己変革リーダーシップで重要な意識と位置付けています。成長するための3要件と捉えてもよいでしょう。オーナーシップは当事者意識に繋がります。

自分のポジションのおおよそ2つから3つ上のポジション目線で、例えば、自分が○○事業部長であればどういう意思決定を下すだろうかという思考のクセをつけることが何よりも大切です。実践してみましょう。

レイモンド・チャンドラーの有名な言葉の象徴者として

読者の皆さんも聞いたことがあるかと思いますが、アメリカのハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーの有名な言葉「タフじゃなくては生きていけない。優しくなくては生きている資格がない。」があります。

確かに困難な状況をいかに乗りきるかは自分が一皮剥けるためには避けて通れないものです。古森氏は現代の若者を素直であるし、礼儀正しいし、謙虚であるし、専門分野を深めるという意味で勉強熱心でもあるが、決定的に不足していると感じるのが「戦う気持ち」であると指摘しています。