山下残 東京初演作『そこに書いてある』
2002年に伊丹で初演を迎え、以来地元・京都をはじめ、イスタンブール、ボストンなど世界各地で上演を繰り返してきた山下残の代表作『そこに書いてある』。今回は韓国のアン・エスン・ダンスカンパニーとの再創作を経て、待望の東京初演を迎えます。会見の模様
山下>今回の再創作は、韓国のアン・エスン・ダンスカンパニーとのレジデンスが始まりでした。韓国のディレクターがフェスティバルに呼びたいと声をかけてくれたんですが、『そこに書いてある』は現地でしかできない大変な作品でもあるし、12年間出演している司会者役のスケジュールが埋まっていたこともあり、僕としてはできれば他の作品をと考えていたんです(笑)。先方にそう伝えたら、韓国の出演者でやって欲しいと言われ、ソウルに2ヶ月ほど滞在して再創作することになりました。
この作品は100ページほどある本をお客さんに渡して進めていくので、韓国語に翻訳するという作業がまずありました。作品としてはそれほど変わってないけれど、本の言葉が韓国語になっていることが一番大きいですね。
これまで日本語と英語でやってきたけれど、今回は日本語と韓国語と英語になってる。作中は舞台上から時々お客さんに声をかけることもあって、それが日本語だったり、韓国語だったりする。舞台と本と言葉が軸になる作品なので、言葉が違うと飛び交う空気の感じもやはり全然違うし、やっていてとても新鮮です。
『そこに書いてある』山下残 photo: Gangdong Arts Center