松下幸之助の先見性-テレビのコストダウン
思いついたアイデアは適宜メモする習慣を付けましょう!
1952年、ラジオからテレビに移り変わろうとしている時代に、松下電器は白黒テレビ1号機を発売します。大きさは17インチ、価格は29万円という当時のサラリーマンの月給の30倍はある超高級品でした。庶民には欲しくてもなかなか買えません。その2年後にライバル社の早川電機(現在のシャープ株式会社)が14インチで10万円を切る卓上テレビを発売し、売上を伸ばしてゆきます。
テレビは今後一般家庭にどんどん普及することが予測される商品です。これに勝つにはどうしたらよいか。
松下氏は当時の自社の技術では限界があると見切りをつけ、オランダのフィリップス社と業務提携に踏み切ることにしました。そして、欧米の最新技術を導入し、遂に1959年、9万円を切るテレビを完成させました。
ちょうどその頃にはプロ野球やプロレスの中継が流行ったため、松下のテレビは多くの家庭に普及。テレビの需要と自社の現状を読んだからこそ、掴んだ成功です。優秀なリーダーは先見性を持ち、よりよい未来とその方向性を示すことができるのです。
最近では、経営環境の変化は極めて速くなってきています。現在のパナソニックはここ数年の厳しい経営状況からようやく抜け出し適応できています。環境変化への即応性は、企業経営にとって非常に重要になってきているのです。環境変化が激しく速くなってくると、企業経営において社長の先見性が非常に重要な意味をもってくるのは当然です。
読者の皆さんも身のまわりの不便やニーズを感じとり、未来を想像して、それらを事業化・商品化するマインドを持ってみてはいかがでしょう?