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麿赤兒 天賦典式公演『ムシノホシ』インタビュー!(4ページ目)

麿赤兒率いる大駱駝艦が、二年ぶりとなる天賦典式公演『ムシノホシ』を敢行! 麿赤兒を筆頭に、総勢21名の舞踏家を引き連れ新たな荒海を目指します。ここでは、開幕に先駆け創作にあたる麿赤兒さんにインタビュー! 作品に寄せる想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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作品のベースに何かストーリーを考えることはありますか?

麿>あるとしても、ストーリーに拘泥している訳ではなくて、いつもそれを外していくようにしています。それもひとつの詐術みたいなもの。“こんなややこしくするのは辞めよう、わかりやすいものにしよう”となるのを、“いかんいかん、わかりやすいところで収まりたくないぞ!”っていう闘いはいつもある。

これとこれは何の関係があるのかと、わかりにくくする際に整合性を持たせる、僕なりの論理を発見する瞬間が楽しくて。あなたが好きです、嫌いです、という単純なものではなく、もっと違うベクトルから概念が出てきて、ひとつの発見があれば面白い。全てが何らかの関係があるという前提のもとで、どういう関係があるのか探る。

それこそブラジルに蝶々が一匹羽ばたけば中国に嵐が起こる、というバタフライ効果のような。フワッとした風がいつの間にかウワーッとなって嵐を起こす、というくらいのバカげた関係ですけど(笑)。どういう回路からどう巡った関係なのか、わからないひとにはわからないだろうけど、僕にはすごく面白かったりする。

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2012年『ウイルス』 撮影:松田純一


結末が見えていてそこに向かっていくのではなく、
最終的に整合性を持たせていくと?

麿>そうですね。もうバラバラで、あとは自由に分析してくださいと投げちゃう部分はあります(笑)。むしろ、こういうものがありますよ、と打ち出すようなやり方はしない。それはもう宿命だと思ってるんです。社会的秩序というものがある中で、こういう者が存在しておりますが、分析していただいて、その秩序の中に入れていただければ幸いなことでございます、と。でも、放っておくなら放っておいてださいね、と(笑)。

たまに、怖いなって思うこともありますよ。流行の法律ができたりすると、意味のわからないものはダメだと言われたり、危ないと言われたりするかもしれない。過去の歴史をみても、そういう社会がわからない回路でやって来ることはありますからね。集まって何を喋ってるんだとか、何をやってるんだと言われて、どこかへ連れて行かれるかもしれないーーなんて、怖い意識もあったりする。それは、僕のクセでもある。本当は怖いんだけど、またクセにハマっていたりするんです(笑)。

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2012年『ウイルス』 撮影:松田純一



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