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新国立劇場 奥村康祐『パゴダの王子』インタビュー!(4ページ目)

新国立劇場バレエ団公演『パゴダの王子』で、王子役を務めるソリストの奥村康祐さん。『パゴダの王子』はデヴィッド・ビントレーが同団のために振付けた創作バレエであり、奥村さんが入団して初めて踊った想い出深い作品でもあります。ここでは、開幕に先駆け奥村さんにインタビュー! 作品への意気込みをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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公演が続いていますが、切り替えに苦労することはないですか?

奥村>作品の切り替えに関してはそれほど大変ではないですね。ただ平行して作品に取りかかっているときは、なかなか頭が付いていかないことも……。ひとつの作品ならまだいいけれど、ダブル・ビルやトリプル・ビルになるともう大変です。違う作品のリハーサルを平行してやっていて、こっちのスタジオである役を踊って、移動してまた違う作品を踊ってーーとなると、自分でも“今何やってるんだっけ?”なんて訳がわからなくなることも(笑)。

『ファスター』のときも大変でした。何度も上演されてる作品だと、教える側も“この音でこの振り”というのを確実に覚えているもの。けれど『ファスター』は英国でもまだ一度しか上演されていない作品なので、“どうだったっけ?”なんて感じで逐一ビデオを見返したりして、振付がなかなか進まないんです(笑)。『カルミナ・ブラーナ』も僕は初めて踊る作品だったので、両方覚えなければいけない。それに『ファスター』の振付が長引いたので、『カルミナ・ブラーナ』に割く時間が削られて、ずっと不安でしかたなかったです。

自分の中でぐっと気分が高まるのは、公演の一週間前くらいから。それまでは主役は主役だけ、コール・ドはコール・ドだけと、パートごとに練習している段階なので、まだ全体像がハッキリしないというか……。一週間くらい前になるとランスルー(通し稽古)がはじまって、他のパートの方とも一緒になるので急に緊張感が出てきます。

ランスルーにしても、やっぱり回を重ねるごとに良くなっていく感じはありますね。ただキャストが多ければ多いほどランスルーもあまりできないので、大作になるとたいてい一~二回しか通せない。『カルミナ・ブラーナ』も舞台稽古でようやく初めて通して、すぐ本番。中日でもう一度ランスルーができて、やっと落ち着いた感じ。だから、初日は僕も含めて何人かはとても緊張してました(笑)。

ph

『パゴダの王子』(2011) 撮影:瀬戸秀美



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