語学力はコミュニケーションの手段であり、その前提である異文化理解は必須となる
7年前に帰国され、井の中の蛙のような日本人に危機意識を持ち、その経験を活かされ、精力的にグローバル人材育成を行っています。
DIVERSITY(多様性)の理解を促進する上での視点-文化コード
渥美氏は「文化コード」という切り口で、世界地図を大きく4つに区分されています。それは、リーガルコード、モラルコード、レリジャスコード、ミックスコードの4つです。コードとはそれぞれの文化圏における重要な価値観や行動規範です。では、4つのコードについて解説しましょう。法やルール、倫理を大切にするリーガルコード(法的規範)
法やルールが中心で、プロテスタンティズム(キリスト教新教)が原型です。米国、カナダ(ケベック州を除く)、英国内のイングランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの北欧諸国です。10か国に満たないですが、世界のグローバル競争力トップ20に入る国ばかりです。リーガルコードの中でも濃淡はあり、米国のように、モラルコードに位置するヒスパニック系の人口が増加したことで、濃度が薄まっている地域もあります。
リーガルコードの源泉は神と人が直接向かい合うキリスト教新教(プロテスタンティズム)と、そこに付随する倫理性にあるといえます。これらの国々では、弁護士が大きな役割を担っています。米国のオバマ大統領、英国のブレア元首相、シンガポール建国の父、リー・クアン・ユー氏も弁護士出身です。
グローバル時代は統一されたルールによるフェアな競争が益々求められるので、このコードをきちんと踏まえる必要があります。