マーケティング/マーケティング事例

西友が開始した異例の全額返金保証は成功するのか?

4月1日、西友はスーパーでは異例ともいえる生鮮食料品の全額返金保証を開始しました。標準店舗で2000品目に及ぶ生鮮食料品を顧客が満足しなければ無条件で全額返金する大胆な制度をスタートさせたのです。果たして、西友の真意はどこにあるのか?異例の挑戦は成功するのか?マーケティング的な視点から分析していきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

スーパー業界で画期的な試みを始めた西友


西友

西友はスーパーでは異例の全額返金保証を開始した

米ウォルマートの子会社として、日本の他のスーパーとは一線を画す戦略で事業展開を図ってきた西友ですが、4月1日からまた新たな試みをスタートさせました。もし、西友で購入した野菜や肉、魚介類などの生鮮食料品に不満があれば、店舗にレシートを持参するだけで、理由を始めとして、名前や住所なども聞くことなく全額返金するというスーパーとしては過去に例を見ない制度を開始したのです。

さらに驚くべきは、対象品目は刺し身やカットフルーツなどを含め標準店舗で2000品目以上に及び、購入した商品をすべて食べてしまったとしても、レシートさえあれば返金に応じるということ。

もともと、生鮮食料品の全額返金制度は、ウォルマートの本国であるアメリカを始め、カナダやメキシコ、イギリスでは導入済みであり、当初は返金が増えたものの、結果的に売上や利益が向上したために、消費税増税で消費の落ち込みが予測されるこのタイミングで日本での導入を決定したというわけです。

西友は、他の多くの日本のスーパーが赤字覚悟の目玉商品を用意して、チラシで集客するという手法を展開する中、親会社のウォルマートが実践するEDLP(Every Day Low Price)と呼ばれる“毎日低価格”をアピールして顧客を呼び込む手法を採用しています。このEDLPを徹底するために、これまで他店より高い場合は、そのチラシを持参すれば同じ価格まで割り引くという保証を提供するなど、最低価格を実現するための努力を行ってきましたが、さらに今回の全額返金保証では、価格だけでなく、商品のクオリティまで保証して、顧客満足を高めて業績向上につなげていこうという狙いがあるのです。

一般的に販売業者が満足しなければ購入代金の全額返金を保証するマーケティング的な狙いは何か?次のページでお伝えしていきます!
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