ノルウェー/ベルゲン

ノルウェー北極圏発のアクセサリー店/ベルゲン(2ページ目)

ノルウェーのジュエリーブランド「ユーレス・シルバーギャラリー」は、北極圏の工房で作製された特別な銀細工アクセサリーを販売しています。繊細で神秘的な作品は、スカンジナビア諸島の先住民族サーミ人との共同作業。観光都市ベルゲンにある支店は、世界遺産「ブリッゲン/Bryggen」の家屋郡の中に位置しており、旅行者も気軽にアクセスができます。

鐙 麻樹

執筆者:鐙 麻樹

ノルウェーガイド

サーメ人のお守り「コスモクレ」

サーメ人のお守りアクセサリー

円形はヴァイキング時代からあるとされるアクセサリーのモチーフ「コムセクレ」。サーメ人が子どもを守るお守りとしても使用する人気デザイン Photo: Asaki Abumi

様々なモチーフから、サーミ人デザインの代表的なものをひとつご紹介しましょう。「コムセクレ/Komsekule」と呼ばれるシリーズは、円形をモチーフとしたアクセサリーです。かつてサーミ人は、人間の赤ちゃんが「取り替え子」として、妖精や妖怪の子と知らぬ間に取り替えられることを恐れていました。そこで、赤ちゃんの揺りかごに「お守り」、「魔よけ」として飾られていたのが写真のような形状の丸いアクセサリー。「悪いことから身を守ってくれる」お守りとしてのギフトによさそうですね。

本店は北極圏に、ラップランド初の銀細工工房

作品のアイデアの源泉が生み出されている本店・工房が位置するのは、ノルウェーの北極圏に位置するフィンマルク県「カウトケイノ/Kautokeino」というフィンランド国境付近の場所。カウトケイノは、トナカイの飼育を生業とするサーメ人の村として知られており、サーミ人が住む居住地域「ラップランド」の一部でもあります。

サーミ人は遊牧民であったため、重い作業道具などを持ちながら土地を移動することができず、自分達でアクセサリーは作らずに、外部から得られる装飾品や材料を使用していました。そこで、工房の創始者であるデザイナー夫婦、フランク・ユールス氏とレギネ・ユールス氏が、カウトケイノ居住をきっかけに、ラップランド初の銀細工工房を1959年に設立。サーミ人との交流を介して、先住民族の工芸品やモチーフを銀細工として再現するに至りました。本店は、ショップ/ギャラリーであると同時に、デザイナーたちが働く工房、またサーミ人や遊牧民の暮らしを伝える博物館ともなっています。

ユーレス・シルバーギャラリーは、かつては首都オスロにも店舗がありましたが、すでに閉店してしまい、今ではこの貴重なアクセサリーを一度に多く目にすることのできる店舗はカウトケイノ本店とベルゲン支店の2箇所となっています。

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Juhls' Silvergallery/ユールス・シルバーギャラリー(ベルゲン店)
住所:Bryggen 39
電話:55 32 47 40
営業時間:明確に決まっているわけではなく、客の出入り具合によって変更あり。下記時間は参考までに。
夏季(観光客が多くなり始める頃) 月曜~土曜9:00~10:00、日曜12:00~16:00/17:00
冬季(大体10月~3・4月) 月・火・水・金曜 10:00~17:00、木曜10:00~19:00、土曜10:00~15:00
アクセス:ベルゲン中央駅、大通りの「トルグアルメ二ンゲン通り/Torgallmenningen」や魚市場から、ブリッゲンに向かって歩き、ヴォーゲン湾/港沿いの通りの手前側に出ているお店。ベルゲンは観光スポット間の距離が短い街なので、中心地の移動は交通機関は使わずに徒歩でアクセス可能。赤レンガ色の木造の建物が目印

※1ノルウェークローネは2014年4月現在、約17.2円。おおむね17円前後で推移。

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