組織には突出と平準のメカニズムが存在する
組織が先か、戦略が先かは組織論の永遠のテーマです
創業期の戦略は攻めであり、売上ゼロから立ち上げて安定的なフェーズまで持っていきます。よって、組織も攻めの組織であり、組織のトップである社長は攻めのタイプで、組織も攻め中心のフォーメーションとなります。
例えば、創業20年が経過し、社員も順調に成長し社員が100名程度になった企業。いよいよ後継者にバトンタッチするフェーズとなります。ここで、成長期(突出)から安定期(平準)に変わります。企業規模も大きくなると、きちんとした人・モノ・金のマネジメントシステムが必要となります。
後継者選びは最重要課題である
この時期は更なる成長への踊り場のようなイメージで、守りの戦略、つまり業務の見直しや標準化やシステム化など、コスト削減フェーズに該当します。ここでよくある失敗例が、世襲で後継者を選択する場合、創業者と同じ攻めタイプを選択しまうことです。創業者と同質的なタイプは思考行動パターンが似ているので、コミュニケーションも円滑でよいのですが、先程の「守りの戦略フェーズ期」に、攻めのトップ・組織となって、戦略と組織において矛盾が生じます。
次のステップに成長できないほとんどのケースは後継者選びで過ちを犯し、失速、衰退していくケースは実に多いものです。是非とも過去の事例を参考になさってください。
つまり、組織を成長・発展されるため(右肩上がりにする)には、このメカニズムを理解され、戦略と組織とを一体化させることです。組織は突出と平準を繰り返して成長していく生きものです。
アメリカンフットボールように、攻めと守りのメンバーを総入れ替えすることは企業では実現不可能ですが、ここは組織のリーダーは押さえなくてはならないポイントです。
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