労働条件の決定に深く関わる「労使協定」って何?

就業規則の適用には、「労使協定」とセットでなければ実施できないものがあります

就業規則の適用には、「労使協定」とセットでなければ実施できないものがあります

職場の労働条件決定には、労働基準法を始めとする労働関係諸法令の知識は不可欠。また企業活動を行う上で、コンプライアンス経営が求められているのは言うまでもありません。読者の皆様は、職場の労働条件決定ルールと言うと、即「就業規則」を思い浮かべられることでしょう。でも実はやっかいなことに、「就業規則」単独では不十分。オールマイティではないのです。

なぜでしょう? 就業規則のルール実施には、表題の「労使協定」とセットでなければ実施できないものがあるからなのです。この協定がなされていないと、法令違反はもとより従業員とのトラブルの基にもなりかねません。今回の記事でどのような「労使協定」があるのか整理し、欠如している場合は即対応をしておきましょう。


労働基準法による、労働条件決定ルールの基本原則!

まずはそもそも論として、下記で法令(労働基準法)による労働条件決定ルールを確認しておきましょう。

【労働基準法第2条(労働条件の決定)】

  1. 労働条件は、労働者と使用者は、「対等の立場」において決定すべきものである
  2. 労働者及び使用者は、「労働協約」「就業規則」「労働契約」を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない

以下、これら3つの順守内容の概要です。

・労働協約(労働組合と使用者間の取り決め)
「労働協約」とは、労働組合と使用者(又はその団体)間の労働条件等に関する協定。書面で作成、両当事者が署名(又は記名押印)したものです。労働組合がない事業場には、「労働協約」は存在しません。昨今は、組合組織率が非常に低下していますから、多くの企業では当該協約はないでしょう。皆様の企業はいかがですか?

・就業規則(使用者による取り決め)
「就業規則」は、使用者が、労働者が就業上遵守すべき労働条件を集団的・画一的に定めたものです。常時10人以上の労働者を使用する場合は作成・届出義務が生じます。企業実務上、正に職場の憲法ともいえる職場ルール集です。

・労働契約(労働者と使用者間の取り決め)
「労働契約」は、労働者が使用者の指揮命令下で労務を提供し対価を得ることを約した契約のこと。就業規則だけでは網羅できない労働条件などがあった場合、個別の労働条件通知書(又は労働契約書)により契約します。

次のページでは、就業規則と労使協定の関係を解説しています。