2住戸を扉でつないだプランの先駆けは、リッチライフプラン
私が記憶しているところでは、2住戸を扉でつないだプランの先駆けは、横浜に本社を構えるリッチライフが展開する「リッチライフプラン」です。ファミリータイプのマンションの隣にドアで繋がったワンルームを設置したもので、ワンルームにはミニキッチン、バス、トイレなどが付いています。小さいほうの部屋は賃貸にしたり趣味室にしたり、2世帯が同居もできるようにしている。小さいほうを賃貸することでその収入をローン返済に充てることも可能というものです。これまで500戸くらいが供給されているのではないでしょうか。
あの耐震偽装の姉歯事件の際に、二重ローンを組んで建て替えを強いられた居住者の負担をできる限り少なくするために、家賃収入が期待できるリッチライフプランの採用が検討されました。
自由主義で核家族が伝統的な米国や英国では、18歳になれば子どもは親から独立し、別居生活を始めます。親が年老いても子ども家族と同居することはほとんどありません。一方、権威主義で直系家族を根底とする日本は、ひとつ屋根の下で親・子・孫にわたる三世代の同居が一定数を占めます。
まさしく二世帯同居住宅は、日本人特有の価値観から生まれた日本人らしい住まいといえるのではないでしょうか。