授業で良い成績を取っても必ずしもリーダーになれない
リーダーシップは知識ではなく、実践である
戦後、卓越した実績を残された名経営者、例えば、パナソニックの松下幸之助氏、ホンダの本田宗一郎氏、ソニーの井深大氏などを引き合いに出され、問題提起をされていました。
つまり、大学の授業はあくまでも知識を習得する場に過ぎず、自らがリーダーとしての責任や権限のある立場に身を置き、そこで思考錯誤しない限り、リーダーシップ能力は身に付かないという事実です。
日本を代表する大企業でも、嘗てはベンチャー企業だった訳です。確かに起業する要件として、学歴は関係の無いものです。頭でっかちは成長・発展の抑止力でもあるのです。私の存在価値がある意味で否定されたのですが、極めて納得感がある言葉でした。
授業でインプットした知識を“場”を通じてアウトプットすることで、能力開発に直結することになります。これは「リーダーシップ論」のみならず、ほとんどの授業に適用できると考えられます。場とは、大学の場合、体育会や文化会、サークル、ゼミナール等の課外活動です。キャンパス外であれば、アルバイトやインターンシップという場になります。
ガイドの私は以前知り合いの経営者に依頼をして、就職活動イベントで学生の能力データをサンプリングしました。英語コミュニケーション能力を測るTOEICのように、ビジネス基礎力(仕事力)を1000点満点で数値化するのですが、以下のような結果でした。
体育会やゼミナールの幹部学生の平均値が最高ランクで、無所属の学生が最低ランクでした。また、体育会やゼミナールでも温度差があり、フォーマルで伝統があり強い組織ほど平均得点は高く、インフォーマルで目的が緩い組織ほどリーダーとメンバー間の有意差が小さいことが判りました。