東南角2Bedroom 170.64平米(51.6坪)
リノベーションのポイントは、パプリックとプライベートをゾーンごと入れ替えた点。大胆にスペースの用途を違えたことで、玄関入ってすぐに南東向きの利点を実感でき、タワーならではの眺望を楽しむことができる。ゲストを招きやすい空間に仕上がった。さらに言えば、「ヒルズ」ならではのバルコニーに常設されたプランターや特製の鉄柵も印象的な当マンションの特徴を身近に感じられることもプラス材料といえるだろう。採光という意味では玄関やキッチンも有利に。さらに、動線としても玄関から分かれるPP分離とは別に、プライベートとパブリックをつなぐ役割をキッチンが果たしている。収納も改善の跡が伺える。玄関脇のシューズインクロークやトイレ横の納戸などはいかにも重宝しそうなスペースだ。
内装はリビングダイニングに採用されたヘリンボーンのフローリングがインパクトを放つ。「元麻布ヒルズ」のエントランスホールは奇をてらわない至って正統な印象である。格調さえ覚えるフロントからEVへ、そして硬質な木調の壁(内廊下)をつたって室内に向かう。緊張を解きほぐしながらもカジュアル過ぎない床は、オンとオフを切り替えつつ全体のトーンを程良く保っているようだ。
価値が下がりにくい高級マンション
「新築VS中古」比較は古くて新しいテーマ。中古の魅力は好立地というが、昨今の市場動向を見ているとまさにその時代がきたかと感じる。都心部では、希少性を備えた新規プロジェクトが減少傾向にあるからだ。不動産デフレ脱却のためには、国全体としての「総資産額の上昇」を実現させなければならないわけだが、全国の地価を押し上げることはもはや想定し難い。地方など下落を続ける分を補いプラスに転じるには、都心部の魅力を一層高める必要がある。観光やエンターテイメントの活性化を図り、高度利用の促進、特区の活用などを行った上で、経済成長を試みる。その舞台となる都心の地価は思惑通りいけば大きく下がることはないだろう。つまり、新しく分譲される物件は相当高額になる恐れがある、つまり事業化が困難を極める。
2000年施行の「品確法」も、中古の安心感を醸成するに大きな役割を果たしているものと思われるし、現に地価が底を打った2002年前後の物件は質の良いものが多い。面積然り、設備然り。現状、高騰が騒がれる建築費のことを踏まえても、中古の魅力は当面注目されそうな気配。高級マンションのリノベーションがひそかなブームになる可能性は十分に考えられる。
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