就活がつらい……就職活動は、最後の「自立の苦しみ」

就活ストレスが辛い

自己分析、面接官の前での自己PR、不採用通知など、ストレスを感じやすい就活時期。子どもの就活で親ができることはあるのでしょうか?


「子は人生で3度、自立の苦しみを経験する」と言われます。

最初の自立は「魔の2歳児」と呼ばれる第一反抗期。母親との密着関係から一歩離れ、何でも自分でやってみたいともがきます。2回目の自立は「思春期」と呼ばれる第二反抗期。親の価値観から離れて、自分の生き方を築こうと格闘します。

そして 3回目の自立が、就職活動期です。経済的な親の支援から卒業し、自分の力で生きていくための準備する最後の自立期。これは、親子双方にとって最も大きな試練となります。

就職活動を通じて、子は「自分は何者か?」「社会でどう自分を生かせるのか?」というアイデンティティに直面させられます。そして、「その会社や組織で、何ができるのか?」という難しい問いに答えなければなりません。自分なりの答えを用意しても、面接官に値踏みされて、相手の基準でバッサリ切り捨てられ、内定が取れない状況が続くと、自信を喪失してしまうこともあります。
 

就活中は親が"ウザい"? 就活生の心を追い込む親の言葉

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子を思えばこそ、余計な一言がつい口をついてしまう

この就職活動期に、親は何気ない言葉で子の心を傷つけてしまいがちです。特に、なかなか就職が決まらない、希望の会社に受からない、就活に後ろ向き……。このように就活がうまくいかない場合、つい次のような言葉をかけてしまうことがあるようです。
  • 「貪欲にもっとアタックしなさい!」
  • 「就活生らしく、ハツラツとしたら?」
  • 「お父さんは、今の時期、もう何社も決まってたぞ」
  • 「同級生の○○くんは、もう決まったのに」
  • 「いつまでも親に甘えられると思ったら、大間違いだ」
  • 「そんな会社しか受からないの?」
親にとっては「思わず出てしまう一言」なのかもしれませんが、子どもは深く傷つきます。そんなことは、就職活動に直面している当事者には百も承知で、本人が一番つらく感じている問題です。それを親から批判的に指摘されると、プライドが傷つき、身の置き場がなくなってしまいます。

では、就職活動の時期、親はどんな姿勢で子に接したらいいのでしょうか。親が心がけるべき4つのポイントを押さえておきましょう。
 

1. 就活中の子の不安をドンと受け止める

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親がドンと受け入れれば、子どもの心は落ち着く

就活期の子の心を理解する手掛かりは、過去2回の自立期(第一反抗期、第二反抗期)にあります。「どうして○○しないの!」と口うるさく意見しても、子どもは反発するだけだったはず。逆に、親がドンと構えて子の苛立ちや混乱した気持ちを受け止めると、子どもは冷静になれたのではないでしょうか。

就活期も同じです。まずは、わが子の不安や苛立ちをドンと受け止める姿勢を示しましょう。

とはいえ、就活期のデリケートな心情は、子どもからは打ち明けにくいものです。そこで、会話の呼び水となる一言は、親の方からかけるといいでしょう。「元気ないようだけど、よかったら話を聞かせてくれない?」「疲れてるみたいね。ちょっと話そうか」――こんな言葉をきっかけに、まずは気持ちを引き出します。
 

2. 状況と気持ちをまるごと聞き、努力を労う

1のステップで会話のチャンスをつかめたら、話をまるごと、否定せずに聞きましょう。就活が難航してくると、親があせり、自分の価値観を感情にまかせて押し付けてしまいがちです。しかし、自分の価値観は脇に置いておいて、まずは子の話を聞きましょう。

状況や気持ちをすべて聞き終わったら、「よく話してくれた」「大変だったね」と、これまでの努力を労います。逆に、話そうとしない子には、無理に聞きださないこと。「その気になったら、いつでも話してね」「力になれると思うから、今度気持ちを聞かせて」――こんなメッセージを残し、話ができるタイミングを待ちましょう。
 

3.親のひいき目で「強み」「売り」を発見

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「強み」「売り」は自分では自分で見出しにくいもの

そしてここからが、いよいよ親力の発揮しどころ! 親だからこそ親身になれるアドバイス、就職の経験者、年長者として伝えられるアドバイスが必ずあります。それを押しつけでなく、提案として伝えます。

なかでも、子の「強み」「売り」は、いつも子をひいき目で見ている親だからこそ、指摘できるポイント。「自分なんて、何の取り柄もない」と自信を失っている子には、良いところを具体的なエピソードと共に指摘してみてください。

たとえば「俺は暗いから」「トロいから」といった、子のネガティブな自己評価も、親のひいき目を通せば、「暗いんじゃなく、冷静なんだよ」「トロいというより、慎重派なんだよ」といったポジティブ評価に生まれ変わるはず。このように、物事の見方を変えることを心理学用語では「リフレーミング」と言いますが、ぜひ就職活動期の子にも、このリフレーミングで子の「弱点」を「強み」に変えて、シャワーのように指摘してあげてください。
 

4. 「家庭内圧迫面接」は絶対にNG!

同じような相談でも、親の応答一つで180度受け止め方が変わるものです。家庭内で「圧迫面接」をしても、百害あって一利なし!

たとえば、就活の準備が遅くてあせっている子に、「今まで何やってきたの!?」と追及しばかりしても何のメリットもありません。むしろ、「これからが就活の本番。今からできることを一緒に考えよう!」と希望を示し、一緒に歩む姿勢を示してあげることです。また、稚拙な履歴書の子に、「こんなことしか書けないの」とダメ出しをするのもNG。「ここをもっと詳しく書くと、面接官は興味持つよ」と、何をどう書くとアピール性が高まるのかを、具体的に示してあげましょう。

さらには、「お前の自己PRポイントを3つ言ってみろ」と面接官気取りで質問するのは、絶対にやめてください! 誰でもはじめは、自分の自己PRポイントなど分からないものです。だからこそ、「あなたにはこんないいところがある。それを面接で伝えてみてはどうかな?」などと指摘してあげましょう。そして、そのポイントを象徴する出来事を一緒に掘り起こし、口頭で伝えられるように面接の練習に付き合ってあげると、子どもの力になれると思います。
 

就活中の子の心のサポートこそ、親にできること

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子ども時代と同じように、親のさりげない支えを必要とするのが就活期

就活期の子どもに、批判的な言葉でプレッシャーをかけたり、一緒になって不安になったりするのは、もちろんNG。「もう大人だから、自分で考えてやるだろう」「何を言っても聞いてくれないから、本人に任せておこう」と放置しているだけでは、一歩先行く就職活動はできません。

もちろん、本来の就職活動は親に頼らず、学内外の就活サポート資源を活用しながら、自力で挑んでいくものです。しかし、そこにこだわりすぎてしまうと、器用な学生にばかり先を越され、不器用な子は不利な状況に追い込まれてしまいます。学内外の就活サポート資源が肌に合わない子や、それらを上手に活用できない子もたくさんいます。有料の就活サポートを利用できない家庭もあるでしょう。

景気が回復の兆しを見せても、慢性的な就職氷河期は続くかもしれません。この就活の苦しみを、1人で抱えるのは相当につらいもの。そうした子にとって、最後の「自立の苦しみ」となるこの試練に付き合うことは、親だからこそできる作業です。具体的には、不安になっている子どもに寄り添い、良いところを引き出し、不安を希望に替えることです。

そもそも就活の目的は、自分の能力を組織にPRし、内定を勝ち取ることです。学歴や成績を理由に、尻込みしていても仕方がありません。「自分のウリはこれ!」と自信を持ってアピールし、売り込むことです。とはいえ、その難業を世慣れしていない子が1人で行うなど、所詮限界があります。アスリートにコーチが必要なように、就活に挑むチャレンジャーにも、その気持ちを受け止め、支えて、自信を持たせる存在が必要です。親がその役割を担ってもよいのです。

子どもの就活は、親にとっては「子育ての集大成」とも言える大事業。この自立の最終章で、子どもが自信を持って「社会」という大空に飛び立てるよう、親は子どもの心にしっかり寄り添い、「頼れる相談役」になりましょう。
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