就活がつらい……就職活動に挑む子の試練と自立の苦しみ
慣れない自己分析や自己PR、不採用通知を受けった時のショックなど、就活は子どもにとって大きな試練です
就活を通じて、若者は「自分とは何者か?」「自分自身を社会でどう生かせるのか?」という難問に直面させられます。そして、社会における価値を問われます。こうしたなか、内定が取れない状況が続くと、子は自信を喪失してしまうものです。
親が就活中の子どもに言ってはいけない一言
子を思えばこそ、余計な一言がつい口をついてしまう。その言葉に、子どもはとても傷つくこともあります
この就活期に、親は何気ない言葉をつぶやきながら、子の心を傷つけてしまうことがあります。就職が決まらないことへのあせりから、次のような言葉をかけてしまうことがあるかもしれません。
- 「もっと貪欲に! どんどんアタックしていきなさい!」
- 「学生らしく! もっとハツラツとしなきゃダメ!」
- 「お父さん(お母さん)は、今の時期には何社も内定がとれてたよ」
- 「同級生の○○くんは、もう内定とれたみたいね」
- 「いつまでも親に甘えられると思ってない?」
- 「そんな小さな会社しか受からなかったの?」
1.不安な気持ちをドンと受け止める
親が子のためを思って気の利いた言葉をかけると、「余計なお世話だ!」と反発されることが多いもの。逆に、不安をドンと受け止めると、子は心を開きやすくなります。 そして、就活に直面する複雑な心境を、子は打ち明けにくいものです。だからこそ、会話の呼び水となる一言を親の方からかけてみましょう。「元気がないね。よかったら話を聞かせてくれない?」
「疲れてるみたいね。ちょっと話そうか」
こうした言葉をきっかけに、子の素直な気持ちを引き出してみましょう。
2.状況と気持ちをまるごと聞き、苦労をねぎらう
1.で会話のチャンスをつかんだら、子の話をまるごと否定せずに聞きましょう。就活が難航すると、親の一方的な価値観を伝えがちになってしまうもの。親の価値観は脇に置き、まず子の話をとことん聞きましょう。そして、「よく話してくれたね」「大変だったね」とこれまでの苦労をねぎらいましょう。話をしたくないようなら、無理に聞きださないことです。「その気になったら、いつでも話してね」「力になれると思うから、今度気持ちを聞かせてね」。このようなメッセージを伝えておくと、気が向いたときに話しやすくなります。
3.親の”ひいき目”で、子の「強み」を発掘して伝える
「強み」や「売り」は、自分一人では見出しにくいもの
親だからこそできるアドバイスは、必ずあります! 特にわが子ならではの「強み」は、いつも自分の子を”ひいき目”で見ているからこそ、発掘できるポイントです。
自分のよいところをまったく見出せず、「自分は暗いからダメ」「私はトロいからダメ」などと自己卑下している子もいるでしょう。そうした子を親の”ひいき目”で見ると、どのように映るでしょう? 「謙虚ないい子だ」「自慢屋よりよっぽどいい。誠実な証拠だ」などと感じたりするのではないでしょうか。それこそが、わが子ならではの「強み」です。
就活期の子が自分を卑下しているなら、親の”ひいき目”で子どもの個性を捉え、「弱点」を「強み」に変えてあげましょう。そして、自己PRにつながるエピソードを一緒に掘り起こしていくと、子は自分の強みを思い出せると思います。
4.「家庭内圧迫面接」は絶対にNG! 一歩進む勇気を促す
家庭内で「圧迫面接」をしても、百害あって一利なしです! たとえば、なかなか就活ができずにいる子に「今まで何をやってきたの!?」と詰問しても、メリットはありません。「大丈夫。今からだって遅くない」「やる気が出たときこそ潮時。きっといいご縁がある」というように希望を示し、一歩進む勇気を促してあげることです。また、履歴書の文が稚拙だと感じても、悪く批評しないようにしましょう。「ここをもっと詳しく書くと、面接官は興味持ってくれると思うよ」というように、何をどう書くと読み手に響くのか、具体的に示してあげるといいでしょう。
親がいちばんしてあげられることは? 過干渉にならず「心のサポート」を!
親のさりげない支えが子どもの勇気の源になる
もちろん、本来の就活は親に頼らず、学内外の就活支援機関などを自主的に活用しながら、自分で工夫して挑むものです。ですが自主性を期待していると、器用な子たちにどんどん先を越され、不器用なわが子は不利なままになってしまうかもしれません。
就活のプレッシャーを若者が1人きりで抱えるのは、つらいものです。アスリートにコーチが必要なように、就活に挑む子にも本音を受け止め、自信を持たせてくれる存在が必要です。他人に頼れないなら、親がその役割を担ってもよいのです。
お子さんが自信を持って「社会」という大空に飛び立てるよう、心にしっかり寄り添い、頼れる相談相手になってみてはいかがでしょう。きっと、お子さんの強い味方になれるのではないかと思います。
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