鮭身の赤色の素「アスタキサンチン」がカギ
鮭が薄毛予防に?そのメカニズムは……
アスタキサンチンは、もともと藻類に含まれている物質で、紫外線の酸化ストレスを軽減する性質を備えています。最近、特に注目されているのが、その強力な抗酸化作用(身体の酸化が引き起こすといわれる、老化、ガン、生活習慣病などを防ぐ作用)です。
その力は数値を見れば一目瞭然。なにしろ、ビタミンEの約550倍~約1000倍、野菜に含まれるβ(ベータ)カロテンの約40倍、さらに化粧品、サプリメントなどでおなじみになったコエンザイムQ10の約800倍という報告もあるのです。こうしたパワーを秘めていることから、アスタキサンチンには「自然界最強の抗酸化成分」との別名もあるほどです。
アスタキサンチンは薄毛男性の味方だった
急流を遡る鮭のパワーの源は主に藻類から摂取するアスタキサンチン
そう、答えは先述した「藻類」です。鮭は回遊中に藻類を大量に食べて体内にアスタキサンチンを蓄積。生まれ故郷の川で産卵するため、急流に負けず遡上する力を養っているのです。川を遡る途中で鮭は激しい運動をしなければならず、同時に大量の紫外線を浴び、さまざまな感染症との戦いも強いられます。アスタキサンチンは、その過酷な状況に対抗するためのエネルギー源というわけです。
このように鮭にパワーを与えるアスタキサンチンは、私たちの研究によって、知覚神経を刺激する作用を兼ね備えていることがわかりました。
ということは、薄毛予防、育毛に期待ができるというわけです。
鮭を食べる時は味噌汁、納豆なども一緒に
アスタキサンチンが知覚神経を刺激するということは、すなわち体内でIGF-1が増えることを意味します。IGF-1は体内で活性酸素を除去する酵素を大量に誘導しますので、前ページで説明したアスタキサンチンの強力な抗酸化作用も、IGF-1が増えることによって現れる効果なのです。アスタキサンチンだけでもある程度IGF-1は増えるのですが、私がお薦めしたいのは、大豆などに多く含まれるイソフラボンも同時に摂取することです。その理由は、「髪の毛を生やす効果大の体内物質「IGF-I」とは?」「トウガラシと豆腐を食べれば発毛促進!?」などでも説明したとおり、カプサイシン、イソフラボンの同時摂取が効率的にIGF-1を増やすためです。
増えたIGF-1は毛母細胞を刺激して分裂を促し、髪の毛が抜ける休止期を短くして乱れたへアサイクルを正しい周期に戻すように作用します。ヘアサイクルが正しくなっていけば、やがて太くて丈夫な髪の毛が生え、同時に細くて短いまま抜けてしまう髪の量は減っていきます。つまりは抜け毛・薄毛予防はもちろん、育毛・発毛も期待できるわけです。
したがって鮭を食べるときには、味噌汁、冷奴、納豆なども一緒にして、定食スタイルで食べることをお薦めします。また、鮭を自分で調理するのが面倒という場合には、鮭フレーク、鮭の缶詰などの加工品がお薦め。薄毛予防、育毛に期待ができます。
同じ鮭でも違う? 薄毛予防にいい鮭の選び方
皮の銀色がキレイに輝いていることも鮮度の良さの証に
■1.身の色が他に比べて赤い
赤色の濃さに比例して、アスタキサンチンが多く含まれているためです。
■2.皮の色が銀色に光ってきれいである
皮の色は鮮度の良さを見極めるバロメーターになります。ドリップ(汁)が出ていないこともポイントです。
■3.身が締まって弾力がある
身が厚いほど脂ものっているもの。美味しく食べることができければ、IGF-1が増えることも期待できそうです。
元来、鮭の旬は秋から冬とされていますが、実は春の鮭もお薦め。というのは、秋は産卵シーズンのため、お腹にイクラや白子がたくさん入っており、身の方にあまり栄養が行き届かないといわれているためです。
というわけで、これから美味しくなってくるアスタキサンチンをたっぷり含んだ鮭を食べ、薄毛予防、育毛に励みましょう!
【関連記事】