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ダンサーズ・ヒストリー 新国立劇場バレエ団 小野絢子(3ページ目)

新国立劇場バレエ団のプリンシパルとして活躍する小野絢子さん。2007年の入団以来めきめきと頭角をあらわし、今や同団きってのスター・ダンサーとしてバレエ・ファンから多くの支持を集めています。彼女が歩んできたバレリーナへの道程とは? ここでは、小野さんのダンサーズ・ヒストリーをご紹介します!

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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研修所で“てんてこまい"の日々

2005年、新国立劇場バレエ団研修所に入所する。研修生の対象年齢は17歳から19歳で、小野さんは当時19歳とぎりぎりセーフ。同期は8人、なかには現団員の井倉真未などがいた。
「毎日フラフラになってましたね。8人の研修生に対して沢山の先生がいらっしゃるし、触れたことのない講義も沢山ありましたし、てんてこまいという感じでした」

クラシック・バレエはもちろん、キャラクターダンスをはじめとした多彩なジャンルのダンスに、バレエの歴史や身体解剖学、演劇、音楽の授業といった座学まで。研修生の授業は多岐に渡り、密度の濃いカリキュラムが組まれる。
「楽しかったのはスパニッシュ。小島章司先生が実際に踊って見せてくださるんですが、だんだんその場が先生の世界に染まっていくんです。本当に凄い芸術家なんだと感じました。デッサンも面白かったですね。私は最初に何も考えずに描き始めるから、後で紙に収まらなくなって、先生に“どうしたらいいですか?”って尋ねたり……」

研修生の評価は点数や成績ではなく、各講師からコメントの形で寄せられる。
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2007年2月バレエ研修所公演より「ライモンダ」第3幕 撮影:瀬戸秀美


「どの先生もひとりひとりの特徴をよくわかっていて、細かくアドバイスをいただきました。なかでも印象的だったのは、演劇の先生からのコメント。“こうありたいという小野絢子の中にとどまっている感じがする、だから声が出ないんだ”というような指摘をされ、私も“あ、そうか!”と思うところがあって。あの頃はバレエでもよく“四畳半で踊らないで”と言われていたんですが、結局同じことなんですよね」

二年間の研鑽を経て、新国立劇場バレエ団のオーディションに挑戦。結果は見事合格、しかもソリストでの入団を叶えている。将来有望と見込まれてと思われるが、当人の見解は違うよう。
「私は身長が足りなかったので、コール・ド・バレエ(群舞)はムリだったんです(笑)」

新国立劇場バレエ団が規定する女性団員の身長は163cm以上(小野さん入団時)。小野さんの身長は162cm。女性としては高い方だが、バレエ団の基準には僅かに達していない。
「やっぱり群舞は見た目にも揃ってないといけない。私はバレエ団の中で一番チビだったので、みんなと踊ってもキレイに揃わない。だからソリストになれたんじゃないかと……」

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