感情が感情を煽る? ヒートアップしてしまう心理とは

嫌な気持ち・沈んだ気持ち・イライラ感

ちょっと愚痴を言うだけのつもりが、ヒートアップしてしまって自己嫌悪……。負の感情や気持ちの波とうまく付き合うコツとは?


会社のランチタイムなどで「ちょっと聞いて。課長ったらね」「今の仕事、ほんっとストレスだよね!」などと愚痴をひとしきり交わし合えば、鬱屈した気分を発散させることができます。このように、愚痴を吐き出せば気持ちはいったんすっきりするでしょう。しかし、自分が吐き出した言葉、相手から聞いた言葉につられて、感情が無駄に煽られていないか、気をつけることが大切です。

たとえば会社の女子会などで、誰かが気難しい上司のことを「あの人、苦手」と批評したとします。その途端、「私も嫌い!」「部下を見下してる感じ」「自分がいちばん偉いと思ってるのよ」「サイテーだよねぇ」などと、他の人からも悪口が飛び交い、上司に対する嫌悪感が高まり、悪口が過熱してしまったという経験に心当たりのある方は多いでしょう。

こんな風に「不快な気持ち」を吐き出しあっていくうちに、その言葉によって感情が煽られ、気持ちが昂ってしまうことは少なくありません。そのまま続くと、上の会話のように、「ちょっと苦手……」という愚痴が、いつの間にか「サイテー」に発展してしまったりします。このようにお互いの感情を煽り合うことによって、小さなストレスを何倍にも膨らませてしまう点には注意が必要です。
 

PMSや更年期などホルモンバランスの影響も受ける女性心理

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月経前のブルー、更年期のブルー。女性のキモチは体

また、ヒートアップしやすいかどうかは個人の性格にもよるため、一概に性別で一括りにすることはできません。また女性の場合は、体調やホルモンバランスの変動もあるため、これらの影響で心の状態が変わってしまう面もあります。特に影響されるのが「月経周期」。排卵後から月経前まで高まっていく「プロゲステロン」という女性ホルモンは、苛立ちやあせり、憂うつ感を招きます。

そのため、月経が近づくとささいなことにもイライラし、物や人に当たったり、普段なら聞き流せる言葉を鬱々と思い返してしまうような不安定な精神症状が現れやすくなります。さらに、この時期には、だるさや疲れやすさ、眠気、肩こり、腰痛などの身体症状なども現れやすくなります。こうした一連の月経前の不調を「月経前症候群」(PMS)と言います。

一般的に、PMSは月経開始とともに徐々に軽快していきますが、月経中の貧血の影響で月経後までだるさが抜けなかったり、月経周期内で目まぐるしく変わるホルモンの変動に疲れたりと、日々体調が安定せず、年中気持ちが体調に振り回されっぱなしという人も多いものです。

その上、更年期に入れば、さらなる体調の変化に振り回されやすくなります。月経不順や月経異常が現れ、ほてりやのぼせ、冷えや発汗などの身体症状の他に、苛立ち、不安、あせり、憂うつなどの症状も強くなりがちです。このように、女性は女性ならではの体の変化に心の状態が影響されやすく、気分が一定しにくい傾向があるのです。

では、こうしたメンタルリスクを女性はどのように管理していけばいいのでしょうか?
 

生理や更年期に振り回されないために…3つの「メンタルリスク管理」のコツ

女性が試しやすいメンタルリスク管理法を、以下に3つ挙げてみましょう。

(1)「おしゃべりデー」を決めて気持ちを吐き出す
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「明かりが消えてるとホッとする」あなたの夫もそう感じているかも?


感情を言葉にしたくなって毎日のようにグチを吐き出していると、吐いた言葉がさらに感情を膨らませ、苛立ちや憂うつ、あせりなどの不快感を増幅させてしまうものです。

そこで、女性は定期的に「おしゃべりデー」を設定し、その日に思う存分、気持ちを吐き出すといいと思います。頻度は人によって異なりますが、2週に1回くらいが適当ではないでしょうか。気の合う友だちと思う存分、イヤなこと、不安なこと、イライラすることを語り合いましょう!

「今日あったイヤなことは、今日吐き出したい」と、毎日のようにパートナーや家族に愚痴を聞いてもらっている人もいるかもしれません。しかし、感情を話題にする習慣のない相手だと、愚痴を聞かされた後に、「ねぇ、どう思う?」と問われても、困ってしまうでしょう。「外から家の窓を見て、明かりが消えてるとホッとする」と言われないためにも、グチを聞かされる側の気持ちも察する必要があります。

「今日吐き出したい気持ち」を「おしゃべりデー」までガマンすることは、本人にとっても、とても大切なことなのです。抱えた感情をいったん抱えるということは、感情に流されずに合理的に考え、解決する力をつけるためにも必要です。紙に書いて、気持ちを整理してもいいでしょう。また、蹴飛ばしたくなるほどイヤなことがあっても、ほとんどは「時薬」の効果で解決できるもの。つまり、時間がたてば自然に癒されていきます。

逆に「おしゃべりデー」まで持ち越した不満こそ、しっかり口にして解放する必要のある感情です。思う存分話して発散し、また仲間の意見を聞いて解決の糸口を見出しましょう。このように、心の中で不快感と付き合ったうえで「おしゃべりデー」に臨むと、ただのうっぷん晴らしで終わらず、有効な意見交換ができるものです。

  (2)気持ちを受容、共感してくれる人に話す
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受容・共感してくれる相手との会話は、気持ちがすっと浄化される


(1)の「おしゃべりデー」で語り合うメンバーは、とても重要。メンバー選びのポイントは、「受容」「共感」ができる人です。しっかり最後まで聞き、「つらいね」と受け止め、「そういう気持ち分かるよ」と共感してくれる人と話すことが大切です。

人の話を奪って自分の話に誘導する人や、最後まで聞かないでやたらとアドバイスをしたり、「なんでこうしなかったの」「それはあなたが悪い」と一方的に批評・非難する人とは話をしにくいもの。また、話の途中で「そうとも言い切れないよ」「それはあなたの思い込みじゃない?」などと腰を折る人とも、会話が進みにくいものです。

ただし、受容・共感をしてくれても、「それひどい!」「もうやめちゃえ!」などと感情を煽る人には要注意。自分の素直な気持ちが分からなくなり、感情に火がついたまま着地点を見失ってしまいます。受容・共感しつつも、冷静に話を聞いてくれる相手がベストです。

(3)体調が悪い日を予測し、無理をしない
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女性のメンタルケアは体のケアとイコール。調子の悪い日には無理をしないこと


女性は、ホルモンバランスによって体調が変化しやすいもの。体調が悪いときに無理をすると、気分はさらに不安定になり、ネガティブに考えたり、怒りを引きずってしまうことが少なくありません。

そのため、月経周期内の気分の変動を自分でよく観察し、月経前後や排卵日前後など、感情が不安定になりやすい時期をマークしておく必要があります。その周辺では決して無理をせず、ぐっすり眠ってしっかり体を休めるのが基本。イライラや憂うつ、あせりに襲われることがあっても、一時の気持ちに流されず「こう感じるのも体調のせいでは?」と、落ち着いて振り返ってみるといいでしょう。

更年期障害の場合は、月経周期が大きく乱れ、不快な心身症状がしょっちゅう襲ってくることがあります。したがって、更年期に入ったら「無理をしない生活習慣」を心がけるのは原則です。あまりに不安定な場合には、婦人科を受診して、ピルや漢方薬などを処方してもらうのも有効でしょう。

――自分自身の感情や体調の特徴を把握できれば、ストレスに対処しやすくなるもの。ぜひ、女性ならではの感情と体調のに気づき、早めにケアを行ってくださいね。
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