「和食」文化に欠かせない御飯と箸。箸置きひとつで箸使いも美しくなります
また、調理技術、盛り付け、食事のマナー、社会慣習、自然の尊重なども含めて「和食」という文化になるので、これまた大変に思えるのではないでしょうか。そこで、こんな工夫をしてみてはいかがでしょう。
家庭で「和食」の文化に親しむヒント
■「いただきます」「ごちそうさま」を言う「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶は、食事マナーの基本です。きちんと意味を知ることで、自然の恵みやおもてなしに感謝する気持ちを大切にすることができます。
→「いただきます」「ごちそうさま」の本当の意味
■箸置きを使ってみる
箸置きを使うと、箸の上げ下ろしを身につける近道になります。箸置きがないと、器に渡す「渡し箸」(本来は食事が終わったことを意味します)や、箸を持ったまま何でもしてしまうような不作法になりがちです。基本の上げ下げができると、「指し箸」「迷い箸」などの不作法をしないよう気をつけるようになり、それ以外の食事のマナーにも気を配るようになっていきます。また、箸置きで季節感も出せるので、小さな箸置きの効果は絶大です。
なお、箸をとり上げるときは「右手で真ん中やや右寄りを持ち上げる→左手でその左横を下から受ける→右手を右側から滑らせて持ち替える」という動作になり、下ろすときはこの逆になります。
■一汁三菜を基本にしてみる
一汁三菜とは、御飯、汁、香の物(漬物)に、菜(おかず)がついた献立スタイルをいいます。基本的には、焼き物、煮もの、和え物などの菜が3種で、必ずつく香の物はあえて数えません。一汁三菜が御飯をおいしくいただくための和食の基本型で、御飯とおかずを口の中で上手に調味して食べる「口中調味」が日本特有の食べ方です。料理内容によって品数は変わりますが、献立を考える際の基本にしたいですね。
■和食器を使ってみる
基本的に、洋食は食器を持たずに食べますが、和食は食器を持って食べるという特徴があります。和食器は、土、漆、木、紙といった自然のものでできており形も様々なので、見た目や手触りも食事の楽しみのひとつ。季節感やおもてなしの心を表すこともできます。一汁三菜も和食器のほうが馴染みますので、ワンプレートの手軽さとはまた違う和食本来の味わい方を食器が教えてくれるでしょう。また、プラスチックなどとは違い、割れたり壊れたりしますから、扱い方も身につきます。
■日本の調味料・調理法で作ってみる
日本の調味料や調理法は、日本の食材をおいしくいただくために生まれたものです。私たちは世界各国の調味料や調理法に親しんでいますが、まずは日本のやり方で味わってみてはいかがでしょう。調味料の基本となる「さしすせそ」は、砂糖・塩・酢・醤油・味噌。なかでも、発酵食品の味噌と醤油は地域によって多様なものがあり、郷土料理にも結びついています。調理法は、切る、煮る、焼く、蒸す、茹でる、和える、揚げるなど。あの手この手で素材の味を引き出し、出汁(だし)のうまみとともに料理を形作っていきます。ヘルシーなので健康のためにも良いですね。
■旬を大事にしてみる
いつでもどこでも食材が手に入るようになり、旬を感じることが少なくなりました。そういう時代に育った私たちは、旬がわからない世代といえます。しかし、よく見てみると店頭には旬のものが置いてあり、旬を大事にする生産者もたくさんいます。私たちがアンテナを磨き、旬を大事にすることで、旬を活かした「和食」を味わえるようになるでしょう。その結果、自然の摂理に逆らわない食生活に戻れるかもしれません。
■年中行事や祭りを食べもので楽しんでみる
「和食」は年中行事と密接に関係する社会的慣習でもあります
→行事食の役割:元気になる
「和食」は広くて深く、身近な文化です。まずは自分にできることから親しんでいききましょう。
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