料理そのものではなく、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」が評価されました
「和食」は奥深いものですが、だからといって難しいものではなく、日常の料理です。そこで、家庭で「和食」文化に親しむためのヒントをお伝えします。
「和食:日本人の伝統的な食文化」とは
そもそも、「和食」とは何でしょう? ユネスコ無形文化遺産への登録は、料理そのものではなく、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」として申請されたものです。ここでいう「和食」とは、料理のことだけをさすのではなく、日本に広く根付いた食文化をさしています。食文化は、その土地の自然環境と文化によって形成されていきます。日本は、南北に長く、周囲を海に囲まれ、山地が多く、降水量が多いため水に恵まれ、四季があります。こうした自然環境だからこそ、四季折々に海、山、里から食材が得られます。そして、日本人はこのような恵みをもたらす自然を敬い、神仏や先祖への信仰と結びついて、日本ならではの食文化を育んできました。
農林水産省の「和食」ハンドブックによると、「和食」には、食材、料理、栄養、もてなしの4つの要素があり、日本文化である4つの理由として、「和食」の精神性、社会性、機能性、地域性を説いています。
わかりやすくいうと……
●自然がもたらす豊かな食材をおいしく活かす調理法で味わうこと。
●一汁三菜を基本に、健康的な食生活をすること。
●年中行事、祝い事、祭りの寄り合いなど、食を通じて家族や地域の絆を深めること。
●食事の場に季節をしつらえ、もてなしや感謝の気持ちを表すこと。
「和食」は空腹を満たすだけのものではなく、健やかに生き、人と人とをつなぐ文化そのものといえます。
このような「和食」はひと昔前なら当たり前のことでしたが、現在はそうとはいえないため、「和食」の重要性に気付いても、どうしたら良いのか戸惑う家庭が多いのが実状です。
そこで、ちょっとした工夫をしてみましょう >>>