リフォームで「築浅」の価値をさらに引き上げる
築20~30年を経過した中古マンションともなると、キッチンや洗面といった水回りの改修が前提になる。在来浴室などはかつては高級マンションの定番ともいえたが、防水の観点から現在ではシステム(ユニット)バスを導入するケースがほとんど。古い物件は躯体天井高にゆとりがないことも多く、その場合ダウンライトや空調(天井埋め込み式カセットエアコン)を入れてしまうと当然その分天井が低くなり、居住性に影響を及ぼすことは必至だ。築浅マンションのメリットはまさにそこにある。二重床二重天井が普及したのはここ10数年のこと。なかでも、高さ制限のない立地に建てられたタワーマンションは、スケルトンインフィルで階高を十分取れているケースが珍しくなく、より可変性に優れているといえる。したがって、最小限の工程で自分の好みに合ったリフォームに特化してデザインすることが可能なのである。今回のケースはその典型例といえよう。
21階角部屋、142.85平米(43.21坪)2億6,000万円
物件の所在は、21階角住戸。東南東に広く、東北東方向にはリビングダイニングの一部とキッチン(に大きな窓)が面している。東南東が、前ページの「ホテルオークラ」を望む眺望だ。142.85平米の3LDKで、すべての居室が開口部に面している。売却希望価格は2億6,000万円である。リビングダイニングは、2面が足元から天井近くまである大きな窓で「空中に居る」錯覚に陥る。その空間の壁一面に天然石を貼り込み、アクセントウォールとした。照明もアクセントウォールを浮き上がるようにダウンライトを等間隔でディスプレイ。LD全体は天井をより高く感じられるよう間接照明を採用している。こうなれば賃貸仕様の名残は皆無に近い。
洗面やトイレはモザイクタイルを施し上質感を。マスターベッドルームでは床の周囲をフローリング框に、その内側は純白のカーペットを敷き詰め、落ち着いた空間を演出している(画像参照)。そして驚いたことに、主寝室に併設された大きめのウォークインクローゼットは壁一面が窓(上の画像)。日々のコーディネイトの過程が楽しい時間になりそうだ。
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