体を温めるお茶と冷ますお茶
冷たくなった両手で温かいカップを包み込み、息をふきかけながらお茶を飲む時間は、不思議とやさしい気持ちになります。肩の力が抜けて、大きく息をはきだした瞬間、何ともいえない幸福感に包まれるこの感覚は、寒い季節ならではのもの。同じように温かい飲み物でも、身体を温めるお茶とそうでないものがあります。一般的に発酵度の高いものほど、身体を温めてくれるといわれていますが、普段はあまり気にすることはないかもしれません。
発酵度の低いお茶は身体の熱を鎮め、発酵度の高いものは身体を温める性質を持っているということを覚えておくと、体調や季節に合わせてお茶を選ぶ楽しみが広がります。
中国茶は大きく6つに分類されます。緑茶(不発酵茶)、白茶(弱発酵茶)、黄茶(弱後発酵茶)、青茶(半発酵茶)、紅茶(全発酵茶)、黒茶(後発酵茶)の6種類。青茶に分類されるウーロン茶の中でも発酵度の高い岩茶(がんちゃ)や、紅茶、プーアル熟茶などは身体を温め、血液の循環を促進してくれるといわれており、冷えをとるお茶としてもおすすめです。
逆に身体の熱を鎮めてくれるお茶として知られる白茶は、中国では熱っぽい時に飲まれていたりしますので、どのお茶も季節や体調に合わせて選ぶことで、おいしさプラスαが見つかりそうです。
岩茶やプーアル茶にもたくさんの種類があり、たった一杯で指先までじんわりと温かくなるのを実感できるものもあります。感じ方には個体差がありますので、いろんなお茶を試飲してみてご自身に合った好みのお茶を見つけると良いでしょう。