ワカメなどの海藻が髪の毛の抜け毛・薄毛予防になる、は迷信?本当?
「ワカメの薄毛予防効果」は伝説ではなかった!
おそらく多くの方は「NO」と答えると思います。単なるウワサの類に過ぎないと一笑に付してしまう方も多いかもしれません。育毛研究をしている専門家からは「ただの迷信だ」と切り捨てられてしまいそうです。
しかし、ワカメ、いえワカメに限らず、海藻類には立派な抜け毛・薄毛予防効果があると想定されています。なぜなのでしょうか?
ヒミツは表面の「ヌルヌルネバネバ」
理由は海藻類に含まれる食物成分に隠されています。ここでコンブを思い浮かべてください。そう、表面がヌルヌルネバネバしていますよね。あの触感の正体は多糖体という物質です。糖分子がつながったもので、ジャムなどを加工する工程で粘りをつけるための食品添加物に使われています。
コンブをはじめ、ワカメ、モズクなどの多糖体から抽出された物質は「フコイダン」と呼ばれています。サプリメントなどにも使われているので、その名を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
このフコイダンが素晴らしいのは、胃の中に入ると知覚神経を刺激してIGF-1を増やしてくれることです。そして、IGF-1の作用により、免疫系を活性化させることで、免疫力を向上させる効果があるものと考えられます。
さて、フコイダンの刺激で増加したIGF-1は、男性型脱毛症などで萎縮していた毛母細胞を刺激します。すると毛母細胞は再び分裂を始め、髪の毛が抜ける休止期が短くなるのです。コンブやワカメ、モズクなどヌルヌルネバネバの海藻は、乱れたへアサイクルを正しい周期に戻すように働いてくれるわけですね。
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ナマコも抜け毛予防に効果的?
見た目はグロテスクでも薄毛男性にとってはありがたい存在に
ナマコには、コラーゲンやヒアルロン酸、グルコサミンやコンドロイチンなど、人間の関節構成成分が多く含まれています。いくつかの成分の名前は聞いたことがある方も多いでしょう。様々なメディアで、これらの成分を含んだ中年~シニア向けの健康食品、サプリメントが宣伝されていますよね。
でも、それと抜け毛・薄毛予防にどんな関係があるのでしょうか?
実は、消化されたコラーゲンやヒアルロン酸には知覚神経刺激作用があり、乾燥したナマコをマウスに食べさせると、全身でIGF-1が増えることがわかりました。そして、これらの成分を多く含むナマコを食べさせても知覚神経が刺激され、全身でIGF-1が増えることが確認されたのです。
ナマコは鶏の軟骨のようにコリコリしているので、なかなか噛み切れないのですが、頑張ってよく噛んで食べるようにしましょう。噛むことで分泌される唾液には、抜け毛・薄毛を予防する作用もありますよ。
イカ、タコにも見逃せない側面が
では、最後に海産物がらみの情報をもう一つ。日本人が好んで口にするイカやタコには「タウリン」という物質が含まれています。これはアミノ酸の一種で、脳、心臓、血液、肝臓、目などさまざまな臓器に存在しています。人間の身体が自ら作り出せる物質ですが、補充すると心臓や肝臓など身体の諸機能を高め、健康維持に役立つといわれています。
そう、このタウリンも胃の知覚神経の刺激を促進して、全身のIGF-1を増やしてくれる働きがあるのです。イカ、タコ料理は、抜け毛・薄毛が気になる男性にぜひ試してほしいメニューといえます。
ワカメ、コンブ、モズクにナマコ、イカ、タコなどの海産物には、抜け毛・薄毛を予防し、育毛・発毛を助けるパワーが潜んでいます。知覚神経を刺激する成分の数を多く摂取すればするほど、それらがIGF-1を増やす効果は足し算的に増えていきます。海の幸が美味しくなるこれからの季節、積極的に今回紹介した食べ物を摂るようにしてください。
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